4.うまく書けないんだ


Dさんは、小学校2年生の女の子です。家ではとても元気な子で、生活の中で困ることはありません。幼稚園の時は、どちらかというとしっかりもののDさんでした。しかし、小学校に入学し、学習が始まるようになると、元気がなくなってきました。ひらがなはなんとか覚えたのですが、「きょうりゅう」を「きゃりゅ」や「きゅうりゅ」と書いてしまいます。また、「きゅうり」は「きょうり」、「きゃらめる」は「きゅらめる」になってしまいました。
 なんとなく「このような文字」ということはわかっているのですが、正確に書くことができません。「にゅ」「みゃ」のように書くことが少ない文字については、「みゅ?」「にゃ?」と聞き返すことも多く、またなかなか文字が思い出せないようでした。
 「つまる音」や「ねじれた音」のような特殊音節の表記になったとたんに、うまく書けなくなってしまいました。


 このように書くことに苦労している子どもがいます。

  拗音や促音などの特殊音節を間違って書く。

  漢字の細かい部分を書き間違える。よく似た漢字を書くのだが、どこか抜けていたり、間違っていたりする。

  鏡文字(左右が反転した文字)になってしまう。

  教科書の文や黒板の板書をノートに書き写すことが難しい。

 これらの「子どもの様子」「考えられる要因」「支援の手立て」を考えると次のページのようになります。

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目  次 はじめに 構成と使い方

第1部
1.聞くことが苦手 2.うまく話せない 3.読むことが苦手 4.うまく書けない
5.計算が苦手 6.文章題が苦手 7.まわりが気になって 8.わかってるんだけど
9.衝動的に動いてしまう 10.人との関係が 11.コミュニケーションが 12.なにか気になって
・不器用な子ども ・行動上の問題

第2部
・学校体制 ・学校を支援するシステム ・宇治市における取組

第3部
・精神科医から ・小児科医から ・作業療法士から ・臨床心理士から
・保護者から ・保護者の手記 ・Q&A