本冊子の構成と使い方
本冊子は3部構成になっています。
第1部は、LD、ADHD、高機能自閉症等のある子ども、及び共通する特性のある子どもについて、典型的な状態を紹介しながら、子どものようす(具体的な様子をそれぞれ4つずつ例示)、考えられる要因、支援の手立ての例を対応させてまとめたものです。
1〜6の各項は、主としてLDによく見られる状態(@聞く、A話す、B読む、C書く、D計算する、E推論する)に対応しています。
7〜9の各項は、主としてADHDによく見られる状態(F不注意、G多動、H衝動)に対応しています。
10〜12の各項は、主として高機能自閉症等(アスペルガー症候群を含み、知的障害のない広汎性発達障害)によく見られる状態(I対人的相互交渉、Jコミュニケーション、Kこだわりや想像力)に対応しています。
なお、ここに例として記した具体的な子どもの様子と要因は、必ずしも直接対応しているわけではなく、同じような様子に見えても別の要因によることがあります。また、いくつかの要因が重複している場合も少なくありません。もちろん、ここに記した様子が見られる子どもがすべてLD、ADHD、高機能自閉症等であるとは限りません。子どもの様子だけを見て障害名を付けることがないように、十分留意してください。
子どもは一人一人みな違います。ここに取り上げたものは典型的な例であり、先生方の目の前の子どもにぴったり合うとは限りませんが、先生方が一人一人の子どもの支援について考えようとするときのヒントになればと願っています。
第2部は、LD、ADHD、高機能自閉症等の子どもを含めて、障害のある子どもを支援する体制の整備についてまとめたものです。
特に、小・中学校における支援体制については、すべての小・中学校で必要となる学校体制について、その目的と整備方法や留意点についてQ&A形式でまとめています。
また、学校を支援するシステムについても例示しています。
各学校や市町村でシステムを整備する参考にしていただければと願っています。
第3部は、医療・心理の分野の専門家や保護者からの先生方へのメッセージです。
保護者の思いを受け止めていただくとともに、教育以外の専門家の助言として参考にしていただくようお願いします。
なお、支援体制の整備に当たっては、「小・中学校におけるLD(学習障害),ADHD(注意欠陥/多動性障害),高機能自閉症の児童生徒への教育支援体制の整備のためのガイドライン(試案)」(平成16年1月文部科学省)を参考にしてください。
また、児童生徒への具体的な支援方法を考える際には、京都府総合教育センター障害児教育部のホームページ「LD、ADHD等サポートマニュアル」などを参考にしてください。
目 次 | はじめに | 構成と使い方 |
第1部 | |||
1.聞くことが苦手 | 2.うまく話せない | 3.読むことが苦手 | 4.うまく書けない |
5.計算が苦手 | 6.文章題が苦手 | 7.まわりが気になって | 8.わかってるんだけど |
9.衝動的に動いてしまう | 10.人との関係が | 11.コミュニケーションが | 12.なにか気になって |
・不器用な子ども | ・行動上の問題 |
第2部 | |||
・学校体制 | ・学校を支援するシステム | ・宇治市における取組 |
第3部 | |||
・精神科医から | ・小児科医から | ・作業療法士から | ・臨床心理士から |
・保護者から | ・保護者の手記 | ・Q&A |