Q&A「医療や心理の専門機関を訪ねるときに大切なこと」
LD、ADHD、高機能自閉症等のある子どもへの支援には、専門機関との連携が大切です。医療や心理の専門機関との連携にあたっての留意点をQ&Aの形で整理してみました。
T 医療や心理の専門機関との連携(専門機関のフォロー)はなぜ大切なのですか。 |
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U 特に保護者や本人にとって、医療や心理の専門機関のフォローはなぜ大切なのですか。 |
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V 多動が見られるので、すぐ受診するよう保護者に勧めたいのですが。 |
![]() 何のために受診するよう勧めるのか、受診した後、学校としてどのように支援しているのかをもう一度しっかり考えてみましょう。 ![]() 学校での子どもの指導は保護者と連携して学校が責任を持って行う(子どもの状況を子どもの障害のせいにしたり、学校で教師が困っていることの解決を安易に保護者に求めない)、専門機関の助言を生かして「今、ここで出来る」手立てを工夫しながらその子を支援するという学校の姿勢を明らかにして保護者と相談を深める中で、保護者の希望を尊重しながら勧めることが大切です。 |
W 学校での指導方法を専門家に教えてもらいたいのですが。 |
![]() その子の発達上の課題や障害にはどのような特徴があり、医学や心理学の視点からはどのような配慮が必要かは詳しく説明してもらい、助言を受けることは大切です。しかし、学校でどのように指導するのかを考えるのは教育の専門家としての教師の仕事です。 仮に、医療や心理の専門家から「教室の中での手立て」について具体的な助言があったとしても、その内容を練り直して取り組まなければ効果は望めません。また、その手立てどおりにしてうまくいかなかったときに、助言の趣旨を生かした指導の手立てを工夫することが出来ません。 ![]() 「先生の中には、教室での指導法のハウツウを尋ねてくる人がいる。中には、教材の作り方まで尋ねる人さえいる。学校の先生が医者にどのような教材を使ってどう指導するかと尋ねるのは、医者が学校の先生に患者の治療法を尋ねるのと同じである。先生方は教育の専門家として、医者からの助言を生かしてもっと自分で指導法を考えてほしい。」 |
X それでは、医療や心理の専門家の助言を生かすためには、どんな点に留意すればよいでしょうか。 |
![]() そのためには、仮にうまくいってなくても、指導の仮説を持って子どもへの指導をしていることが必要です。 ![]() なお、他の機関に情報を提供する場合には、本人又は保護者の了解が必要なことは言うまでもありません。個人情報の管理には十分留意してください。 ![]() ![]() もちろん、自分の指導の責任だとして一人で抱え込むことは最も良くないことですが、「この子のために、“教育の専門家である自分”には何ができるか」、「教師である自分しかできないことを見つけたい」という気持ちが大切です。こういう気持ちを持ちながら、事実を冷静に整理して相談すれば、必ず得るものがあります。 |
目 次 | はじめに | 構成と使い方 |
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1.聞くことが苦手 | 2.うまく話せない | 3.読むことが苦手 | 4.うまく書けない |
5.計算が苦手 | 6.文章題が苦手 | 7.まわりが気になって | 8.わかってるんだけど |
9.衝動的に動いてしまう | 10.人との関係が | 11.コミュニケーションが | 12.なにか気になって |
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