3読むことが苦手なんだ



 Cさんは小学校2年生です。 国語の教科書を読んでいるときに、どこを読んでいるかわからなくなってしまい、読むのを止めてしまいます。また字を抜かしたり、文の語尾を勝手に読み替えたり、行を飛ばしたりすることもあります。一人ずつの本読みでは、自信なさそうに下を向いて、暗い表情になってしまいます。担任が間違いを指摘したり、正しい読み方を教えようとして声をかけると、机に伏してしまい、読もうとしないこともあります。



 このように読むことに苦労している子どもがいます。

  文字は読めるが、行や文字を飛ばす。助詞や文末を読み間違える。

  形のよく似た文字を読み間違う。(ひらがなでは「さ」と「き」、「め」と「ぬ」など、漢字では「目と日」、「氷と永」など、アルファベットでは「pとq」、「bとd」などよく似た文字を間違う。)

  文字をひとつひとつ読む。(ひろい読み)

  文章の内容が理解できない。(内容について、「なぜ、どうして」と理由を問われると答えられない。)

 これらの「子どもの様子」「考えられる要因」「支援の手立て」を考えると次のページのようになります。

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目  次 はじめに 構成と使い方

第1部
1.聞くことが苦手 2.うまく話せない 3.読むことが苦手 4.うまく書けない
5.計算が苦手 6.文章題が苦手 7.まわりが気になって 8.わかってるんだけど
9.衝動的に動いてしまう 10.人との関係が 11.コミュニケーションが 12.なにか気になって
・不器用な子ども ・行動上の問題

第2部
・学校体制 ・学校を支援するシステム ・宇治市における取組

第3部
・精神科医から ・小児科医から ・作業療法士から ・臨床心理士から
・保護者から ・保護者の手記 ・Q&A