11.コミュニケーションがうまくとれないんだ
Kさんは小学校4年生です。自分の大好きな電車のことになると、とてもよく話します。「あのね、新幹線の○○○系統はね、………」とアナウンサーが話すような標準語でペラペラと話します。相手が聞いていなくても、関係ないようです。聞いているMさんは困ったような、もう聞きたくないようなようすです。しかし、Mさんのそんなようすには気付きません。いつまでも話しています。Mさんが違う話をしても、その話題について話すのではなく、また大好きな電車の話になります。Mさんは話しているのがおもしろくなくなってしまいます。
このようにコミュニケーションをとることに苦労している子どもがいます。
話したいこと(自分が興味ある話)を相手の興味に関係なく、一方的に話す。
含みのあることばや嫌みを言われてもわからず、ことばどおりに受け止めてしまうことがある。
よく話すが、相手の話を理解していない。
質問に適切に答えることができない。
これらの「子どもの様子」「考えられる要因」「支援の手立て」を考えると次のページのようになります。
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目 次 | はじめに | 構成と使い方 |
第1部 | |||
1.聞くことが苦手 | 2.うまく話せない | 3.読むことが苦手 | 4.うまく書けない |
5.計算が苦手 | 6.文章題が苦手 | 7.まわりが気になって | 8.わかってるんだけど |
9.衝動的に動いてしまう | 10.人との関係が | 11.コミュニケーションが | 12.なにか気になって |
・不器用な子ども | ・行動上の問題 |
第2部 | |||
・学校体制 | ・学校を支援するシステム | ・宇治市における取組 |
第3部 | |||
・精神科医から | ・小児科医から | ・作業療法士から | ・臨床心理士から |
・保護者から | ・保護者の手記 | ・Q&A |