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平成15年度
平成16年度

         

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T 成 果

ア 「こべつ〜る」の活用例の紹介
これまで、小学校基礎学力診断テスト結果の活用としては、課題の見られる問題の分析や、学年や学級の学力の傾向を分析するにとどまることが多く、個々の児童の課題にまで迫ることはあまりなかった。 今年度、京都府総合教育センターが提供した「個別データ整理表示ツール『こべつ〜る』」は、個々の児童の課題を分析することを容易にしたが、その活用方法を紹介するにはいたらなかった。 今回、紹介した実践例は、「こべつ〜る」の新たな活用のヒントとなると考える。
イ 習熟の程度に応じた少人数指導のあり方の紹介
○ 個々の課題から学習コースを組み立てることの重要性の再確認
習熟の程度に応じた少人数指導が進む中、コース設定が先に立ち、個に応じた指導の基本が忘れられる傾向がある。そうした中で、「個々の課題の明確化→課題克服のための指導方法の検討→コースの設定」というコース設定までの一連の流れの重要性を今一度押さえられた点で意義があったと考える。
○ 小学校基礎学力診断テストの結果から見た個に応じた指導の重要性への提言
授業改善の取組が進み、小学校基礎学力診断テストの正答率も上昇している一方で、盲点となっていた課題があることを紹介することができた。今後、この点に視点を当てた習熟の程度に応じた少人数指導が必要であることを押さえられた点で意義があったと考える。
ウ 数学的な考え方を育む算数的活動例の紹介
京都式少人数教育の進展により、指導体制や指導形態の整備が進んできた。今後力を注ぐべきは、教材教具の開発と指導方法の工夫改善である。こうした意味からも、数例にすぎないが、すぐれた教材教具による算数的活動を紹介できたことの意義は大きいと考える。   特に、IT教材の活用例を紹介したことにより、今後、各小学校のIT環境整備が進むにつれ授業での有効活用が進み、さらなる可能性も広がると考えられる。
エ 指導と一体化した評価の在り方についての紹介
評価というと大量の資料を用意して、テストのデータを集め、時間のかかるものというイメージが広がりつつある。それもまた一つの手法であろうが、ここでは、「授業時間内にいかに児童の変容ぶりを見て取り、指導に生かすのか」という考え方に立って評価について整理してみた。 今回紹介した評価についての考え方は、評価のある一面でしかない。しかし、評価は「大変・面倒・時間がかかる」という考えを払拭し、「これなら普段からしていることだ。」とか、「なんだ、これならできる。」という声を沸き起こすことができるのではないだろうか。


U 課 題

ア 児童の学力状況の把握について
こべつ〜るやレディネステストを活用して学力状況を把握する実践例を紹介したが、こべつ〜るを日常的に使っていくためにはまだまだ改良が必要である。また、学校現場の学力状況の把握に対する認識も、まだまだ不十分なところがあり、さらなる啓発が必要である。
イ 習熟の程度に応じた少人数指導のあり方について
少人数指導の形態はほぼ定着してきたが、それは形式化と裏腹の関係にある。今一度「個に応じた指導」の趣旨に立ち返り、少人数指導の在り方を見直すことが必要である。そして、すぐれた実践を掘り起こし広めていくことが課題である。
ウ 算数的活動の工夫について
教材教具を紹介すると、それを使えばよいと安易に解釈する向きがある。大切なのは、どの場面にいかに効果的に使うかということである。算数的活動についての意味理解を進め、今後もその在り方を問い続ける必要がある。 また、すぐれた教材教具の収集とともに、その使い方も併せて紹介していくことが必要である
エ 指導と一体化した評価の工夫について
これは、より良い授業を追求する教師の永遠のテーマである。にもかかわらず、ことさら強調されるようになったのは、結果責任が問われるようになったことにもよるであろう。   評価規準が整備され立派な冊子ができたことが、結果責任を果たしたことでは決してない。要は、個々の児童が目標に達せたかどうかなのである。今一度、1時間1時間の児童の変容ぶりに目を凝らし、ていねいな指導を地道に継続することを全教員の課題として捉え直したい。


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