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総論編 |
評価のポイントを示しています。 「児童生徒の学習と教育課程の実施状況の評価の在り方について」 (教育課程審議会答申 平成12年12月4日) 「小学校、中学校、高等学校等の学習指導要領の一部改正等について」 (平成15年12月26日通知) |
◎ 「教育課程審議会中間まとめ」(平成12年12月4日)から | 「評価のポイント」 | ||
ア | 学力については、知識の量のみでとらえるのではなく、学習指導要領に示す基礎的・基本的な内容を確実に身に付け、自ら学び自ら考える力などの「生きる力」がはぐくまれているかどうかによってとらえる必要がある。 | ポイント1 「基本としての観点別学習状況の評価」 |
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イ | これからの評価においては、観点別学習状況の評価を基本とした現行の評価方法を発展させ、目標に準拠した評価(いわゆる絶対評価)を一層重視するとともに、児童生徒一人一人のよい点や可能性、進歩の状況などを評価するため、個人内評価を工夫することが重要である。 | ポイント2 「目標に準拠した評価」 |
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ポイント3 「個人内評価の工夫」 |
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ウ | 学校の教育活動は、計画、実践、評価という一連の活動が繰り返されながら展開されるものであり、指導と評価の一体化を図るとともに、学習指導の過程における評価の工夫を進めることが重要である。また、評価が児童生徒の学習の改善に生かされるよう、日常的に児童生徒や保護者に学習の評価を十分に説明していくことが大切である。 | ポイント4 「指導と評価の一体化」 |
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ポイント5 「児童や保護者への説明」 |
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エ | 評価に当たっては、教育活動の特質や評価の目的等に応じ、評価の方法、場面、時期などを工夫し、児童生徒の成長の状況を総合的に評価することが重要である。 | ポイント6 「評価の方法、場面、時期などの工夫」 |
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オ | 評価活動を充実させるためには、各学校において、評価の方針、方法、体制などについて、校長のリーダーシップの下、教員間の共通理解を図り、一体になって取り組むことが不可欠である。また、各教員が、評価についての専門的力量を高めるため、自己研鑽に努めたり、校内研究・研修を実施することなどが重要である。 | ポイント7 「教員間の共通理解」 |
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◎ 学習指導要領の一部改正にともなって | |||
カ | 学校において特に必要がある場合には、第2章以下に示していない内容を加えて指導することができる。また、第2章以下に示す内容の取扱いのうち内容の範囲や程度等を示したものであり、学校において特に必要がある場合には、この事項にかかわらず指導することができる。ただし、これらの場合には、第2章以下に示す各教科、道徳、特別活動及び各学年の目標や内容の趣旨を逸脱したり、児童の負担加重となったりすることのないようにしなければならない。 小学校学習指導要領第1章第2の2より アンダーラインは平成15年12月26日に一部改正された部分を示す |
ポイント8 「学習指導要領の『基準性』の一層の明確化」 |
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キ | 各教科の指導に当たっては、児童が学習内容を確実に身に付けることができるよう、学校や児童の実態に応じ、個別指導やグループ別指導、繰り返し指導、 学習内容の習熟の程度に応じた指導、児童の興味・関心に応じた課題学習、補充的な学習や発展的な学習などの学習活動を取り入れた指導、教師の協力的な指導など、指導方法や指導体制を工夫改善し、個に応じた指導の充実を図ること。 小学校学習指導要領第1章第5の2より アンダーラインは平成15年12月26日に一部改正された部分を示す |
ポイント9 「個に応じた指導の一層の充実」 |
ポイント1 | 基本となる4観点の評価の実際 |
観点別学習状況の評価を基本とした現行の評価方法を発展させ、目標に準拠した評価(いわゆる絶対評価)を一層重視する。 |
観 点 | 評 価 の 留 意 点 | 評価する際の実際例 |
関心・意欲・態度 | 1単位時間のみで評価するのでなく長いスパンの中で、児童一人一人の多様な現れ方を総合的に評価する。 | 〜に気づく 〜に興味を持つ 〜を楽しんでやる 〜を自分から進んでする |
思考・判断 | 単元の指導と評価の計画等で個々の思考力、判断力が表出しやすい活動内容を工夫し評価する。 | 〜思いつく 〜予測する 〜関係づける 〜説明する |
技能・表現 | 結果としての作品等で評価しがちであるが、過程における児童の様子を評価することも大切である。 | 〜読む 〜計算する 〜使う 〜歌う |
知識・理解 | 単に覚え込むだけではなく、自ら体験し、実感をもって学ぶことにより、学習や生活に生きて働くものとなる。 | 〜定義する 〜例を挙げて説明する |
(1)「〜することができる」という評価と異なり、継続的に「〜している」状態を観察することが必要になる。 ↓
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(2)「関心・意欲・態度」は、個々に児童によって「強さ」や「持続性」の現れ方が異なる。何に対しても興味を示しやすいがすぐに冷めてしまう児童もいるし、弱いながらも意欲が持続する児童もいる。
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☆「関心・意欲・態度」の評価のポイント
「児童生徒の学習と教育課程の実施状況の評価の在り方について(教育課程審議会答申H.12.12.4)」において、指導要録に関する観点別学習状況の留意すべき事項として次の点があげられています。 |
観点設定の趣旨 この観点は、本来、それぞれの教科の学習内容や学習対象に関心を持ち、進んでそれらを調べようとしたり、学んだことを生活に生かそうとしたりする資質や能力を評価するための観点である。 ○目標に準拠した評価であること ○授業中の挙手や発言の回数といった表面的な状況のみで評価されるものではないこと |
評価方法例 ○態度や行動、発言内容の観察による評価 ○作品の評価 ○児童生徒の自己評価や相互評価 ○予習、復習の状況の評価 |
教員に求められる力量 ○観察力や分析力 ○多様な評価の方法による継続的・総合的な評価能力 ○教科の特性や観点の趣旨に応じた評価方法の適切な選択 |
指導者は、指導目標を明確にするとともに、おおむね満足できる状況や十分満足できる状況の児童の姿を明らかにしておくことが評価を行う大切な条件となります。 |
児童の関心・意欲・態度の評価を行うにあたり、次の3つのポイントをおさえることが大切です。 | |||
@ 評価の視点を定める | |||
A 適切な評価の方法を選択する | |||
B 判定の方法や基準を定める |
評価の視点 例 | 評価の方法 例 | ||||||||||||
1 気づき 〜に気づく。 〜に興味をもつ。 2 関心 〜に好奇心をもつ。 〜を不思議に思う。 〜に疑問をもつ。 3 意欲 〜に注目する。 〜に注意をはらう。 〜を試してみる。 〜について調べる。 〜について伝えようとする。 4 態度 〜について自ら進んでする。 〜について目標をもって努力する。 〜について応用してみる。 |
1 だれが 指導者による評価が基本 補助的に児童による自己評価 や相互評価を活用 2 どのような方法で 観察法 作品法 評定法 ・記述式評定 ・図式評定尺度 ・点数評定尺度 ・チェックリスト 等 |
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判定の方法や基準 例 1年国語 どうぶつの赤ちゃん(研究指定校の実践から) |
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ポイント2 | 「目標に準拠した評価」を進めるために |
★指導と評価の重点化 ・年間を通して、学習指導要領の指導項目を「どこで指導するのか」「どこで指導しなければならないのか」がわかる。 ・指導の目標が明確になり、ねらいを明確にした授業ができる。 ・評価の視点が焦点化できるので、評価の精度が高まり、信頼性も高まる。 |
☆「年間の指導と評価の計画」における重点化の例1 (夢・未来校の実践より)
4月 | 4月 | 4月 | 4月 | 5月 | 5月 | 5月 | 5月 | 6月 | 6月 | 6月 | 7月 | 7月 | 7月 | |
単元名
指導内容
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文学的文章 | 言葉の力 | 考え合う | 漢字のまとめ | 作文 | 地球について | 説明しよう | 言葉の力 | 作文 | 表現の工夫 | 熟語作り | 説明的文章 | 漢字のまとめ | 言葉を集めて |
話すこと・聞くこと ア 話すこと |
◎ | ◎ | ||||||||||||
話すこと・聞くこと イ 聞くこと |
◎ | ○ | ||||||||||||
話すこと・聞くこと ウ 話し合う |
○ | ○ | ||||||||||||
書くこと ア 効果的に書く |
○ | ◎ | ||||||||||||
書くこと イ 事柄の整理 |
◎ | ◎ |
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次 | 時 | 指導目標 | 学習活動における具体の評価規準 | 目標に到達できなかった児童に対する手立て | |||||||
関心・意欲・態度 | 数学的な考え方 | 表現・処理 | 知識・理解 | ||||||||
B | A | B | A | B | A | B | A |
☆単元の指導と評価の計画における指導と評価の重点化の例3 (夢・未来校の実践より)
時間 | 指導内容 | 学習活動 | 学習活動における具体の評価規準等 | ||
(観点) 評 価 規 準 〈評価方法〉 |
十分に満足できると判断される状況 | 努力を要する状況への手だて | |||
1 | (関心・意欲・態度) ○○に関心をもち学習に取り組もうとしている。 〈発表・振り返りカード〉 |
学習の流れが分かり意欲的に取り組もうとしている。 | 「一人学びの手引き」を再度活用し見通しがもてるよう指導する。 |
★1単位時間の評価の重点化・・・評価の観点を1,2点に絞りこむ 絞り込む際の観点 ・教科の指導内容のねらいから ・1単位時間の中心的な活動から ・最も育てたい資質能力から |
★(A)の規準(Aの姿)のとらえ方 「質的な高まり、深まり」が顕著に見られる子どもを見とる ↓ 発展・習熟・使いこなし・その子らしさ・生活に生かす ↓ 多様性・独創性・創造性 さらなる活動の助言をする |
★規準に達しない子どもへの手だてを明確に 基礎・基本の確実な定着を目指して 「・・・の指示を与える」 「・・・の教具を使って個別に指導する」 |