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国語科における評価のポイント

―― 国語科の基礎・基本と指導に生きる評価 ――

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国語の理論編へ  1 国語科の特性とは?
 2 国語科の特性からみた評価の在り方
 3 確かな言語能力を身に付けるために大切なことは?
 4 具体的な評価方法の工夫(その概要とポイント)
国語の実践編へ  ◇ 国語科における評価の実際
    ◆ 段落の指導を第3・4学年で重点的に取り扱った実践例
  
  1 評価を生かした単元学習指導の展開
  2 重点化を図った単元指導の構想
  3 重点化を図る学習指導案のポイント
国語の資料編へ  3年
  1 指導案「本時の展開」例
  2 語句に着目させるワークシート例   
  3 授業の様子
  
 4年
  1 重点指導事項
  2 単元の観点別評価表「ウミガメのはまを守ろう」
  3 重要語句に着目させるワークシート例
  4 自己評価カード例








理論編


・・・国語科の基礎・基本と指導に生きる評価・・・

 国語科の基礎・基本の確実な定着を図るためには、児童の学習状況を客観的に評価し、児童の言語能力を把握することが大切である。そして、指導に生かすための具体的な評価規準や評価方法をもって、授業に臨むことが大切である。 


1 国語科の特性

   国語科は、 言語を学習する教科 です。つまり、授業を通して、児童の言語能力を育てる教科です。1時間1時間の授業で「つけたい力」を明らかにし、国語科の学習指導要領の A「話すこと・聞くこと」、B「書くこと」、C「読むこと」の3領域 に示された指導事項を確実に指導することを通して、児童に確かな言語能力を身に付けさせることが重要です。

※ 青字下線部をクリックすると説明が現れます。


(1)  国語科教科目標
国語を適切に表現し正確に理解する能力を育成し、伝え合う力を高めるとともに、思考力や想像力及び言語感覚を養い、国語に対する関心を深め国語を尊重する態度を育てる。
       −小学校学習指導要領より−

国語科の評価の5観点及びその趣旨
  −国立教育政策研究所教育課程研究センター
   「評価規準の作成、評価方法の工夫改善のための参考資料」より−

@ 国語への関心・意欲・態度
 国語に対する関心をもち、国語を尊重し、進んで表現したり理解したりするとともに、伝え合おうとする。

A 話す・聞く能力

 自分の考えを豊かにして、相手や目的に応じ、筋道を立てて話したり、的確に聞き取ったりする。

B 書く能力
 自分の考えを豊かにして、相手や目的に応じ、筋道を立てて文章に書く。

C 読む能力
 目的に応じて読み取ったり読書に親しんだりする。

D 言語についての知識・理解・技能
 表現及び理解の能力の基礎となる発音、文字、語句・文・文章等にし、習熟している。書写では、文字を正しく整えて書く。    


◆学習指導要領には、
    2学年のまとまりで示されているので・・・

(2) 基礎・基本の定着と特色ある国語科の授業づくり
   ・言語活動の多様化を図る。
   ・学校図書館や読書指導との関連を図る。
   ・他教科との関連を図る。
   ・「総合的な学習の時間」
   ・生活科との関連を図る。
   ・2学年まとまりと指導の重点化(それぞれの学年で取り上げる内容を具体化)
国語科年間指導計画の作成 角丸四角形吹き出し: 各学校の実態に応じた実践的な年間指導計画の作成が求められます。




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2 国語科の特性からみた評価の在り方









3 確かな言語能力を身に付けるために
  大切にしたいことは?

(1) 国語科の学習は、指導内容が系統的・段階的に示されているので、螺旋的・反復的に繰り返し学習することを基本とする。  
  国語科は、児童の発達段階や中学校との関連を配慮しつつ、学校や児童の実態に応じて重点的に指導することができるように各学年の目標は、 2学年まとめて示されています。2学年まとまりの中で重点的に指導する内容を取り上げ、確かな国語の力の定着を図ることが大切です。 つまり、螺旋的・反復的な学習を展開し、基礎・基本の確実な定着をめざすためには、 学習指導要領に書かれている目標及び内容の「何を」「どのように」指導するのかという指導計画をしっかり立てることが重要です。 また、児童が「どの程度」身に付けているのかを教師が、的確に把握することも必要です。

(2) 国語科の基礎・基本は、「A話すこと・聞くこと」「B書くこと」「C読むこと」に示された「言語活動例」を通して指導する。
  基礎・基本の定着を図るためは、学習指導要領の「内容の取り扱い」に挙げられている言語活動例を授業展開の中で具体化することが大切です。言い換えれば、各学年の系統性を視野に入れて、言語活動例を生かしながら螺旋的に高めることができるような学習指導計画を工夫することです。





4 具体的な評価方法の工夫
  (その概要とポイント)


図@の具体化









  

(1) 年間指導計画の作成
 児童につけたい言語能力の系統性が明確になるように、年間指導計画を作成する。
  ( 「他教科との関連」「学校図書館の活用」も考慮に入れて・・・・ )
(2) 単元指導計画・単元評価規準の作成
 言語活動はどのようなものを取り上げるかを考える。
言語能力が螺旋的に高まっていくようにするため、題材や、目的に変化をつけた繰り返しの学習活動や相手、場面、方法等をグレードアップした学習活動を考える。

(3)単位時間の指導計画・評価規準の作成
  重点的に育てたい力を、単元の教材に即して、具体的に設定する。 「どの領域」の「どの指導内容」を目標とするのか。「どのような場面で」「何について」「どのような方法で」「どのような指導・支援をするのか」を明らかにしておく。
●「おおむね満足できる」評価規準を明確にし、「努力を要する」児童や「十分満足できる」児童への手立てを講じる。
児童の具体的な学習状況の姿で明確にする。
(4)自己評価・相互評価を学習過程に位置付ける
  その単元・時間を通して、どんな力を育て、伸ばしたいのかを明確にし、規準となる観点を明らかにする。それに基づいて、自己評価・相互評価の評価活動を計画する。継続的に行い、児童に自己評価力をつけていくことが大切であるが、そのためには、児童に具体的に、自己評価・相互評価の観点や内容を示しておくことが大切である。  



(1)多様な評価方法による情報収集
 学習の実現状況をできるだけ偏りなく把握するために、評価の場面や、評価規準、児童の発達段階に応じて多様な評価方法を選択し、より客観性の高い評価を行うようにする。  客観性・信頼性を保つため、授業中の児童の様子を記録に残すようにする。
ペーパーテスト、ワークシート、学習カード、行動観察、質問紙、作品、ノート、レポート、会話・つぶやき・発言、 振り返りカード、etc
(2)指導と評価の一体化(形成的評価)
計画→実践→評価→見直し→改善→計画・・・という一連のサイクルにより基礎・基本の確実な定着を図るようにする。指導の調整、個別指導、補充指導に生かす。





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