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ポイント7 「教員間の共通理解を図るための校内研修」
 教員が評価についての考えを深め、評価方法を改善したり、その結果を指導に生かしたりするためには、教員一人一人が教育の専門職として自己研鑽に努めるとともに学校全体で校内研究・研修を通じて評価についての力量を高めることが必要である。
 とりわけ、評価方法の中でも、教員による観察は重要な意味を持つものであり、そのためにも、校内研究・研修の在り方を一層工夫し学校全体として評価の力量を高めることが重要である。
        教育課程審議会答申 平成12年12月4日 第1章 第2節5−(2)「学校全体としての評価の取組」
※各学校においては、『評価規準、評価方法の工夫改善のための参
 考資料−評価規準、評価方法等の研究開発(報告)』(平成14年2月)
 を参考にして、評価規準、具体の評価規準、単元の指導と評価の計画
 等を作成し、実践をとおして検証が進められています。
  さらに信頼性、客観性のある評価とするためには、どのような視点で
 研修を進めるとよいのでしょうか。

☆評価をさらに工夫改善するための視点

@評価規準の工夫改善
評価規準が指導の目標や内容の分析を踏まえて作成されているかどうか検討、 吟味すること。
                ▽
     評価規準『B』段階のレベルが高すぎないか、低すぎないか。
より活用しやすい評価規準表ができているか。
                 ▽
     評価を指導に生かすという視点で活用できているか。
『A』という状況のとらえ方、『C』という状況に対する手だては適切か。
A評価方法の工夫改善
評価の観点に対する評価方法が選択は適切か。
                 ▽
      「思考・判断」のテストのつもりが、結果的に「知識・理解」の内容になったりしていないか。
多角的・多面的な評価とするために評価方法の組み合わせを工夫しているか。
                ▽
     テスト法ばかりでなく、いくつかの評価方法を組み合わせることにより
      評価の客観性、信頼性が高まります。
B評価場面の工夫改善
学習の結果ばかりでなく、学習の過程における評価を工夫しているか。
                ▽
      児童のよさがもっとも発揮される場面、発揮させたい場面で学習状況を
      把握しているか。
C指導体制・形態と評価
少人数指導、習熟度別指導など、指導体制、指導形態を工夫した場合の評価の在り方

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ポイント8 「学習指導要領の『基準性』の一層の明確化」


 各教科の指導に当たっては、児童が学習内容を確実に身に付けることができるよう、学校や児童の実態に応じ、個別指導やグループ別指導、繰り返し指導、学習内容の習熟の程度に応じた指導、児童の興味・関心に応じた課題学習、補充的な学習や発展的な学習などの学習活動を取り入れた指導、教師の協力的な指導など、指導方法や指導体制を工夫改善し、個に応じた指導の充実を図ること。
        小学校学習指導要領 第1章 総則 第5の2より
          アンダーラインは平成15年12月26日に一部改正された部分を示す


  ☆学習指導要領の充実・改善(平成15年12月)の意図

 学習指導要領の「基準性」及び「はどめ規定」等に関する記述を見直し、学習指導要領の「基準性」を一層明確にする。
学習指導要領に示されている基礎的・基本的な内容の確実な定着を図る指導を十全に行った上で、共通に指導した内容をさらに深めたり、思考力・判断力 表現力や学ぶ意欲を高める取組を充実する。


  ☆学習指導要領の「基準性」とは

・明示されている共通に指導すべき内容を確実に指導した上で、子どもの実態を踏まえ、明示されていない内容を加えて指導することもできるという性格

 

  ☆「はどめ規定」等とは


・学習指導要領に示された内容をすべての子どもに指導するに当たっての範囲や程度を明確にしたり、学習指導が網羅的・羅列的にならないようにしたりするための記述であり、子どもたちの一人一人の実態に即して適切な場合には、この規定には関わらず指導することが可能である。
     例−−−「(4)のアについては、食品の体内での主な働きを中心にし、
            細かな栄養素や食品成分表の数値は扱わないこと。



  ☆各学校における配慮事項


・上記の趣旨を踏まえ、地域の実態や各学校の事情、各学校の教育目標に応じた適切な教育課程の編成
・各学年等の目標や目標や内容の趣旨を逸脱しないこと。  
・児童に与える負担、小学校から高等学校までの指導方針の連続性等の観点から、無制限に行われることがないよう配慮する。
      「初等中等教育における当面の教育課程及び指導の充実・改善方策について」
        平成15年10月7日 中央教育審議会答申より抜粋 

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ポイント9 「個に応じた指導の一層の充実」
児童一人一人のよさや可能性を伸ばし、個性を生かす教育の一層の充実を図る 
児童の実態や指導のそれぞれの場面に応じて、効果的な指導方法を柔軟かつ多様に導入すること
* 個別指導やグループ指導
* 繰り返し指導        
* 学習内容の習熟の程度に応じた指導          
* 児童の興味・関心に応じた課題学習          
* 補充的な学習や発展的な学習などの学習活動を取り入れた指導          
* 教師の協力的な指導 など



  ☆各学校における配慮事項

・児童に優越感や劣等感を生じさせないようにする。   
・学習集団による学習内容の分化が長期化・固定化するなどして学習意欲を低下させないようにする。
・保護者に対して、指導内容・方法の工夫・改善等示した指導計画、期待される学習の充実に係る効果、導入の理由等を事前に説明する。
「補充的な学習」を行う際には、様々な指導方法や指導体制の工夫・改善を進め、当該学年までに学習する内容の確実な定着を図ること。
「発展的な学習」を行う際には、児童の負担過重とならないよう配慮するとともに、学習内容の理解を一層深め、広げるという観点から適切に導入すること。
       「初等中等教育における当面の教育課程及び指導の充実・改善方策について」
         平成15年10月7日 中央教育審議会答申より抜粋



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