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平成15年度
平成16年度

         

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研究テーマ

理科における評価を生かした授業改善とは


設定の理由

  「評価を生かした指導」「指導と評価の一体化」とよく言われるが、具体的にどのような指導を想定して
いるのだろうか。その具体的な授業イメージは、人によってまちまちのように思われる。
  指導において「評価が生きる」とは、児童の学習の過程で評価すること、評価をしなければ次の授業が
できないという必然があることと考えられる。指導者が児童の学習状況を把握し、評価し、的確な指導を
し、児童の思考が深まるという場面が、単元の指導過程において次々と出てくることが評価を生かした指
導と言える。また、児童の思考の深まりの状況、思考における課題などを評価することによって、単元の
途中でも指導計画の変更がなされた場合、評価が生きるということになる。


研究の柱

評価計画の考え方と作成

  評価のもとになるのは、単元の目標である。単元の目標は学習指導要領の記述から導き出される。
理科の場合、内容の記述は大変分かりやすく書かれている。例えば、本稿で述べる実践の記述でい
うと「水溶液には、金属を変化させるものがあること」とある。この認識を児童が獲得し確かなものにす
るために、どのような授業を展開していくかということが指導者の課題となってくる。児童は、記述され
ている内容を獲得するために、自分で考え、実験し、まとめ、出てきた疑問をまた確かめようとする。
この過程で、自然事象について関心・意欲を高め、自然により深く関わろうとする態度を育て、科学的
に思考する力を鍛え、実験技能を身に付け、確かな知識を獲得していくのである。指導者は、この内
容の記述を常に意識することが大切で、いたずらに目標を高く設定しすぎないことに留意しなくてはい
けない。
  また、評価計画については、単元全体を大まかな流れでとらえる必要がある。1時間1時間のねらい
と評価すべき事項をはっきりさせるために細かな評価計画を作成することも必要だが、児童の高まりは
その時間にすべて現れるものでもない。科学的な思考にせよ自然事象への関心・意欲・態度にせよ、
現れ方は児童によってもまちまちであり、学習の高まる時も違う。大切なことは、指導者がその単元で
何を評価するか大まかな流れをつかんでおくことである。児童に学習の高まりが現れたとき、現れた児
童を評価するという姿勢をもち続けることである。
  この実践では、学習指導要領の内容の記述と大まかな評価の流れを常に意識して指導し、児童に科
学概念の形成を確かなものにしようと考えている。

評価を生かした指導

  児童の学習状況を知るために、指導者はさまざまな方法を考える。授業中の発言、能動的な働きかけ、
ワークシート、小テストなどである。十分意識してなくても、その行為の中にはねらいに即した評価の機
能が働いている。評価とは特別なことではなく、指導者が児童にねらいを達成させようとする行為そのも
のの中にある。その行為をいかに効果的にするかということに、評価研究の課題がある。
  この実践ではワークシートを主な手立てとして、ワークシートに書かれた内容を読み取り、次の学習課題
を見出し、働きかけ、新たな考えを構築させようとした。確かな科学概念を獲得させるため、これを繰り返
している。



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