総論 国語 社会 算数 理科 生活 音楽 図工 家庭 体育
平成15年度
平成16年度

         

 トップページへ      



   単元の目標と評価計画(6年生「水溶液の性質」)


単元の目標

 いろいろな水溶液を使い、その性質や金属を変化させる様子を調べ、水溶液の性
質や働きについての考えをもつようにする。
   ア水溶液には、酸性、アルカリ性及び中性のものがあることが分かる。
   イ水溶液には、気体がとけているものがあることが分かる。
   ウ水溶液には、金属を変化させるものがあることが分かる。



単元の評価規準

ア 水溶液の性質や働きに興味をもち、自ら進んでそれらを調べたり、多面的に
 追究したりしようとする。             (自然事象への関心・意欲・態度)
イ 水溶液の性質や働きをその要因と関係付けながら多面的に追究したり、結果
 と予想を照らし合わせて推論したりして、それらについての見方や考え方をもつ
 ことができる。                              (科学的な思考)
ウ 水溶液の扱い方を身に付け、実験器具等を適切に使い、安全に実験をすると
 ともに、その過程を適切に表すことができる。    (観察・実験の技能・表現)
エ 水溶液には、酸性、中性、アルカリ性があること、気体が溶けているものがあ
 ること、金属を変化させるものがあることを理解している。
                             (自然現象についての知識・理解)



評価構想(単元の詳しい指導計画は資料1)




児童の思考の流れと教師の指導(第三次のワークシートより)


ねらい

  金属が酸や塩基に溶ける様子から、質的変化の概念(異なる二つの物質から新しい物質ができる場合、物質の性質は変化する)を獲得できるようにする。

学習方法

  児童が自ら科学的な考え方を獲得するために、児童がもともともっていたり経験的に考え出したりしたものを実験や討論を通して自分なりに意味付けしたり関係付けたりしながら新しい考えを構築し、図や文章を詳細に書くことによって、児童が問題解決の過程を把握したり整理したりしながら進めていく。


指導の観点

学習の中で

  あらかじめワークシートを丁寧にチェックして、児童一人一人がどのような科学的な考え方を獲得しているかを把握し、一人一人の考えが生かされ、児童相互の話し合いがうまくつながるようにしていく。
  また、児童が自分の考えを生かして実験をしたり、得られた結果を考察したりしているかを見極めながら一人一人の思考の流れに適切な指導を行っていく。

ワークシート

 実験結果が図などを用いて詳細に記述してあるところ、質的変化の概念やそれにつながる記述がなされているところに赤線を入れたりコメントを入れて励ましたり、概念獲得に必要なことがぬけている場合には、コメントを入れてそれに気付くように促したりしていく。


指導の実際(児童A)〜実験や話し合いの結果を取り入れて自分の考えを構築 している例


指導の実際(児童B)〜実験から得た結果と関連づけて自分の考えを構築している例 している例




指導計画の改善

  本単元の学習のねらいとして、水溶液の性質を理解することはもちろんのこと、児童が主体的に問題
解決を行い、新しい科学概念を獲得することを大きなめあてとしている。したがって、学習が進むにつれ
て児童がどのように概念の獲得をしているかを丁寧に把握し、指導計画の見直しを行う必要があった。
      第1時 塩酸と鉄やアルミニウムの反応実験                          ・・・・・・・・・・・・・・・・1人(2.8%)
      第2時 鉄やアルミニウム金属が溶けた 塩酸の水溶液を蒸発させる実験・・・・・・・5人(13.9%)
      第3時 塩酸に入れた鉄やアルミニウムと
                                       蒸発させて出てきた物質との重さの比較実験・・・・・・・・・・11人(30.6%)
   第4時 蒸発させて出てきた物質が
                                    鉄や アルミニウムであるかどうかの確かめ実験・・・・・・・・・・36人(100%)
  当初の計画では、第5時の実験にアルミニウムを水酸化ナトリウム水溶液に溶かす実験を入れて、そ
の様子を観察して塩酸のときと同じ反応であるとし、第6時の実験に塩酸と水酸化ナトリウム水溶液を混
ぜて中和させた水溶液にアルミニウムを入れる実験を行うことによって、質的変化の概念をより強めよう
と考えていた。
  しかし、第4時の実験が終了した段階で、全員の児童が塩酸と鉄やアルミニウムが反応して別の物質
に変化するとワークシートにまとめることができたものの、質的変化の概念が完全に理解できたというよ
うな内容のものが少なく、このままでは時間とともに忘れてしまうだろうと考え、次のように指導計画を変
更することにした。
      第5時 水酸化ナトリウム水溶液とアルミニウムの反応実験
      第6時 鉄やアルミニウム金属が溶けた水酸化ナトリウムの水溶液を蒸発させる実験
  こうすることによって、液性がアルカリ性の水酸化ナトリウム水溶液でも科学反応が起こり、アルミニウ
ムは全く別の物質に変化することを理解させ、より強く広がりを持った概念になると考えたのである。
      第5時 水酸化ナトリウム水溶液とアルミニウムの反応実験・・・・・・30人(83.3%)
  予想通り、納得してまとめていたわけではなかったのである。
  続いて第6時の実験を行うと全員の児童が別の物質に変化したと、再びまとめることができた。
      第6時 鉄やアルミニウム金属が溶けた水酸化ナトリウムの
                                        水溶液を蒸発させる実験・・・・・・・・・・・・36人(100%)



 トップページへ  ページの先頭へ戻る