「生活科の単元における授業改善と評価の工夫」 −身近な環境や自分についての気付きを知的気付きに発展させる− |
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地域探検に出かけよう(2年生) |
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生活科のめざす資質・能力は、本来どの児童にも備わっているものであるが、それを学習指導の場面で引き出し、確かなものに育てて行くには、教師にそのよさや可能性に気付く視点が必要である。授業の中でそのポイントに気付き、継次的に記録すると共に、次の学習展開に生かしていくフィードバックによって学習指導を工夫することが、めざす資質・能力を育成する授業改善につながると考える。身近な人、社会、自然と直接関わる活動や体験を通して、児童が持つ内的な心の動きをを、いかに「関心・意欲・態度」として発現させ、育てていくか。活動や体験を楽しみ、その中で考えたり工夫したりしたことを、いかに「思考・表現」する力に高めていくか。直接的な体験の中で、児童自らが主体的に関わることによる「身近な環境や自分についての気付き」を、どのような工夫で自ら周囲に伝えようとし、知的気付きとして発展させる力にしていくか。 生活科の授業を通して、これらの活動を相互に関連させつつ高めていくことの重要性を検証したい。 |
生活科の学習指導を進めるに当たって教師の果たす役割は、単元全体を通して具体的・継続的に児童の変容を見取り、その活動が主体的なものとして展開していくように支援することである。児童一人一人のよさや可能性を積極的に評価して、次の活動や指導に生かしていくことが大切である。 体験や活動そのものがねらいである生活科の評価は、教師による観察評価が重要となる。また、児童自身の思いや願いが興味・関心の発現となって学習活動が展開する場合、様様な活動形態が予測されるが、その中にも評価規準や視点をもって評価できるように評価方法の工夫が求められる。 |
評価方法の工夫例 | |
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教師の観察法 | ポイントを絞った行動観察、子供との対話 子どもの変容の記録、観点に基づく評価記録の一覧表 等 |
児童の表現 | 学習シート、振り返りカード、自己評価、相互評価、作品 等 |
*評価の中で気付く支援の必要な児童、頑張っている児童にはその都度フィードバックする。 |
生活科における単元のねらいは、指導要録の評価の観点である「生活への関心・意欲・態度」「活動や体験についての思考・表現」「身近な環境や自分についての気付き」の3観点に基づき、その項目の評価規準を参考に児童や地域の実態に応じて考え、設定する。また、個々のねらいと共に、相互に関連させて学習指導ができるよう、児童実態に合わせて工夫する。 ここでは、身近な人、社会、自然と直接関わる活動や体験の実践例として、学習指導要領の生活科内容のまとまりごとの8項目のうち、(3)「地域と生活」を取り上げ、例として考えていきたい。2年生での「地域探検」として実施した。自分たちの住んでいる地域に改めて目を向けてみると、何気なく通り過ぎている場所にも歴史があり、知らなかったことを家族や地域の人々から聞いて知る驚きや発見がある。児童個々の内的な興味や関心をどのように学習活動とし、知的な力に高めていくかを考えてみたい。 |