W 国語力の育成を考える
8 学校における読書活動の推進について |
学校の読書活動推進おける役割 |
読書活動は国語力を身に付ける上で、大きな役割を果たします。
学校において読書活動の推進を考えるとき、まずはじめに考えなくてはならないのは、学習指導要領での扱いです。
学習指導要領において読書は、国語科の目標や内容、教育課程実施上の配慮事項として明確に位置付けられています。
また、「京都府子どもの読書活動推進計画」にあげられているように、読書意欲を向上させ、読書に親しむ態度を育て、読書習慣を形成していくことが、学校の読書活動推進の役割だといえます。
しかし、国語科の学習だけで読書活動の推進は十分に図れるとはいえません。同推進計画では、「書物に親しむ学校風土を培っていく」という表現を使い、教育活動全体を通じての読書活動推進の必要性を述べています。
そして、「実情に応じて工夫」すべき点として次のようなことをあげています。 |
「実情に応じて工夫」すべき点 |
○ 読書活動の教育活動の中での適切な位置付け
○ 読書時間の確保
○ 読書指導の工夫と充実
○ 学校図書館の効果的な活用等を推進
○ 意義や重要性等についての研修
○ 協力して取り組む体制の整備
○ 市町村立図書館等やボランティアの協力 |
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これらについては、文化審議会答申においても、同様なことが述べられています。同答申では、「小、中、高と進むにつれて本を読まなくなる状況を改めるべき」として、「読書活動推進のため」の四つの観点をあげています。
その中で示されている、「望ましい『読書指導』」の「読むことの楽しさを教える」ことや、「子供たちが読む本の質的・量的な充実」の「『自ら本を手に取る気持ち』になるようにするための工夫」などは、先の推進計画にある「読書指導の工夫と充実」と共通する部分です。
また、「学校教育における『読書』の位置付け」は、そのまま同推進計画の「読書活動の教育活動の中での適切な位置付け」と重なる点で、「すべての教科で『読書活動』に取り組む」ことや「読書習慣を付けるための継続した読書指導」「読書の時間の設定」なども共通して強調されています。
さらに、「教員の読書指導の質の向上」についても、「全教職員が読書活動の意義や重要性等についての研修を深め」(推進計画)として、教職員の読書活動についての研修の重要性をあげています。
このように、今学校は、国語力向上のために「読書活動」を教育活動の中に明確に位置付けるとともに、教職員が研修を深めてより質の高い読書指導を行っていくことを求められています。 |
京都府の努力目標 |
なお、「京都府子どもの読書活動推進計画」では、今後5年間で100%実施を目指す努力目標を何点かあげています。それは、「朝の読書等の一斉読書や読み聞かせなどの取組」「ボランティアや市町村立図書館等の協力を得て行う読書活動の取組」等々です。
各学校では、これらのことを踏まえ、児童生徒の課題や指導の実情に応じて、計画的に「読書活動」を推進していくことが必要です。
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