U 小学校(国語科)における国語力育成のための実践
3 小学校における国語力育成のための実践 ―「言語事項」― |
「言語事項」における指導例 |
「言語事項」は3領域の学習と深く関連しています。学力診断テストの結果から、言語事項においても、小・中学校で共通した課題が見られます。
ここでは、先にあげた「言語事項」の指導についての改善のポイントに沿って指導例を紹介します。
「言語事項」における指導
@ 語彙量を増やす取組
◇読書活動を充実する。
◇「言葉」の学習を充実する。
文化審議会答申に「『読み』の学習を先行させることで、言葉の知識(特に語彙力)を増やすことに重点を置くべき」とあるように、「読むこと」と関連付けた指導が求められています。
語彙量を増やし、語感を育て、言葉の働きに着目する力を付け、適切に活用できるようにするためには、「言葉の学習」の時間に「言語事項」の指導の徹底を図ることは勿論ですが、「『読む力』を育てるための指導の一例」の「A言葉への気付きを大切にした指導」とともに、単元の最後のページや欄外にある「言葉」にかかわる指導も充実することが大切です。児童生徒が言葉にこだわる力を付けるために、できるだけたくさんの言葉に出会い、気付き、使う機会を意図的・計画的に設定することが必要です。
A 継続的・反復的な指導
◇家庭学習や朝学習を活用しての取組
一律にプリントに取り組ませるだけではなく、個に応じた指導を行うことが大切です。その場合、ただ取り組ませるだけでなく、定着していない児童には丁寧に指導し、確実に理解させることが大切です。
◇国語辞典や漢和辞典の活用 |
学校教育全体で国語力を育てるため指導例 |
国語力は国語科だけでなく、各教科、その他の教育活動全体の中で身に付けていくものです。
@ 国語科と他教科、「総合的な学習の時間」等との関連を図る
◇各教科等で話し合い活動や書く活動、発表等を取り入れた授業を展開する。
◇付けたい力(付けた力)の関連を図った指導を進める。
例@は、国語科で付けた「伝え合う力」が他教科等のどのような学習活動で関連付けて取り組まれたかを示すものです。国語力を高めるためには、各教科等の独自性や付ける力を明らかにし、相関させ、更に高めていくことが求められます。そのために、年間指導計画を作成し、全教職員で共通確認をしながら進めることが大切です。
A 環境を整備する
児童は、教室の中だけで知識を蓄えていくものではありません。学校においては、学校内のあらゆる事物により学習していると言えるのではないかと思います。そういう視点から、例Aのように学びのための環境を整えていくことが大切です。
・掲示物の活用・整理
・教師の言葉遣い
・伝える場の設定(集会活動・スピーチの取組) |
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