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W 国語力の育成を考える
 6 学校における国語教育/国語科と他教科との関係
国語科以外の教科での国語力の育成  国語力は国語科だけで身に付けるものではありません。
 この点は、小学校学習指導要領解説国語編の第1章第5節「他教科、道徳及び特別活動などとの関連」では、次のような記述で明らかにされています。
 「国語の能力や国語に対する関心・態度は、国語科だけではなく、他教科、道徳及び特別活動、『総合的な学習の時間』などの学習でも養われるものであり(以下省略)」
 また、文化審議会答申でも「国語力は、算数でも理科でもすべての教科の中で養われるもの」とあり、国語科の枠を超えて国語力の育成を考えることが必要です。例えば、社会科や理科でレポートを書いたり、調べたことを発表したりすることは国語力の育成に大切なことです。さらに、学校教育全体を通じて、言語環境を整え、あいさつや敬意表現など「生活に密着した言葉」を身に付けさせることにも配慮すべきです。
他教科との連携  「話す」「聞く」の指導については、すべての教科で一層意識的に行っていくことが大切です。文化審議会答申では、その効用として「国語科の授業が「読む」「書く」に重点を置くことができ、現在以上に、効果的・効率的な教育を行うことができる」ことを挙げています。
 「書く」ことについては、以下のような考え方が示されています。
 
 ○ 自己表現としての「書く」や論理的思考力を育成する「書く」は国語科を中心に行う。
 ○ 実生活における「書く」は、他教科などで行う。
 そのため、どの教科でもメモやノートを取ることをこれまで以上に指導していくことが大切になってきます。

 
 また、「聞く力」を身に付けるためには「話す」ことを前提として「聞く」ことが有効ですが、そのときに必要となるのも的確にメモを取る力です。
総合的な学習の時間との連携  総合的な学習の時間は、国語科との関係を踏まえることも重要で、教科の学習内容との関連を大切にしながら、子どもたちに知的刺激を与えることが必要です。
教員の国語力向上  子どもたちの国語力を向上させるためには国語科の教員だけでなく、すべての教員が自らの国語力を高めることが必要です。国語力に着目した現職教員の研修等を一層充実させることが大切だと言えます。 
全体構想を明らかに   つまり、国語力を育成していくためには、次の図に示したような観点から学校教育全体を見直すとともに、小・中連携や地域・保護者との連携、社会教育との連携等、より広い視点で全体を捉え直す必要があります。そして、それぞれの学校の現状を的確に把握した上で、国語力向上のための全体構想や重点的な指導内容を明確にして、計画的に取り組んでいくことが重要であると考えられます。






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