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U 小学校(国語科)における国語力育成のための実践
2 小学校における国語力育成のための実践 ―「書くこと」―
「書く力」を育てるための指導例  先の項では、学力診断テストにおける「書くこと」の課題として、「中心を考えてから書く力が弱い」ことと、「書くことに係る無答率が高い」つまり、「書くことに抵抗感がある」ことをあげました。
 また、文化審議会答申では、「指導の重点は『読む』『書く』にある」とし、「小学校段階では、(中略)『読む』『書く』が確実に身に付くようにしていくことが大切である」「論理的思考力の育成は『書く』ことが中心になると考えられる」としています。
 児童生徒に、「よく考えて書きましょう」と促すだけでは、書くことの指導とは言えません。「何を書くか」、「どのように書くか」を身に付けさせることが大事です。そこで、ここでは、先にあげた、「書くこと」の指導についての改善のポイントから、何点かに絞って指導例を紹介します。
  「書く力」を育てるための指導

@ 文章構成を考えさせる指導
◇段落の構成を意識させる
  自分の考えを分かってもらうために書くのですから、読み手に分かりやすい文章を書くという意識を持たせなければなりません。そのためには、構成メモ等により、考えを整理することが大切です。「はじめ・中・おわり」という構成の整った文章を書くことが大切です。<例@>
◇文章の型を指導する
  「どう書いてよいのか分からない」という児童をなくすためには、「読むこと」と関連付けて文章の型を指導し、書き方の基本を身に付け、活用できるようにすることが大切です。優れた叙述や構成の文章を、音読したり視写したりまねをしたりして書くことも型を理解するための方法の一つです。右ページの資料「ブックトーク原稿の書き方」のように、いろいろな文章の書き方を示し、指導し、慣れさせることが大切です。<例A>

A 表現の効果を確かめる指導
 自分の考えを明確に表すために、効果的な表現になっているか、伝えたい内容が伝えられているか、また更に改善できる部分はないかなど、「書く力」を付けるためには、推敲する力を付けることが大切です。
 しかし、何をどのように読み直すのか、視点を与えなければ、見直しはできません。例Bのように、推敲のポイントを児童に示すことが大切です。学んだことが「書くこと」に生かされているかが推敲のポイント(ねらい)となり、それを達成する指導を進めることが大切になります。
 「書く力」は、段階的・反復的な指導により定着していきます。また、表現の効果を高め、相手意識・目的意識のある文章を書く力を付けるために、相互に読み合うなど、読み手の立場から文章を客観的に評価する取組も必要となります。<例C>

B 「読むこと」と「書く力」を関連付けた指導
 知識を身に付ける学習で終わることなく、学んだことを生かして文章に表したり、自分なりの考えをまとめたりする活動を取り入れます。特に、説明的な文章を通して論理的な文章の構成について学んだ後、論理的な文章を書くという学習を繰り返し行うことも大切です。

 このほか、「書く力」を育てるためには、評価が大切です。指導目標が「具体例を入れて書く」なら、そこに焦点を当てて評価し、文章の長短や誤字脱字等、諸々の事項とははっきり区別した評価をすべきです。そして、評価を指導に生かすためには、評価した作品は、できるだけ早くに児童に返し、課題となる点を、次の学習に生かすことができるようにしたいものです。







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