※アセスメント票を作成する前と作成した後にもう一度読んでください。アセスメントは、適切な指導・支援に欠かせないものです。 |
子どもの実態を理解し、支援の方向とその手立てを考えるとき、アセスメント票を作成して協議する学校が増えてきました。
専門家チームのケース会議や巡回相談の場に出されるアセスメント票の記述も、以前は「私はこの子の行動に困っている」という教師の思いや子どものマイナス面ばかりが目立ちましたが、最近は事実を端的にかつ冷静に表現しているものが増えてくるなど、特別支援教育の視点に立った子どもへの理解と支援が広がってきています。
一方、子どもの行動や状態を発達障害の視点だけで解釈してしまう傾向はありませんか。アセスメントを、発達障害のどれかに分類することだと考えていることはありませんか。
例えば、落ち着きがなく先生の話をしっかりと聞けなければ、授業中の立ち歩きがあれば、衝動的な行動があれば、即ADHDと考えてしまうことはありませんか。
「落ち着きがなく、先生の話をしっかりと聞けない」場合も、その要因は子どもによって様々です。ADHDなどの発達障害のために刺激を整理することができずに落ち着かない子どももいれば、過保護や過干渉の育ちのために自立心や自律の力が培われていない子どももいます。家庭生活の中での心配事があって落ち着かない子どももいます。「元気な子」(個性の範疇)と言って差し支えない子どももいれば、軽い発達の遅れのため学習内容とのズレが大きいため集中できない子どももいます。さらに、実は子どもの問題ではなく、授業そのものが面白くなくメリハリに欠けるため多くの子どもが退屈して落ち着きがないように見えることもあります。
アセスメントとは、子どもの行動や状態をその子どもの立場に立って理解しながら冷静に整理し、その要因を仮説してその子どもに合った支援の方向や手立てを明らかにして支援をするために行うものです。また、達成可能な目標を設定し、楽に取り組めるようにする手立てを明らかにするために行うものです。
役に立つアセスメントに共通しているポイントを整理しておきましょう。
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アセスメントのポイント
・事実に基づいて冷静に整理されている。
抽象的にではなく、具体的に整理されている。
・行動面に問題がある場合は、子どもの状況が教師を含めた周りとの関係の中で整理されている。
(特に教師との関係で整理されている。)
学習面の課題がある場合、教え方との関係の中で整理されている。
・以上について、その要因(仮説としての「なぜ」)が考えられ、「なるほど!」と分かるように整理されている。
・単に子どもの障害のためだとされていない。複数の要因が検討されている。 |
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