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W 国語力の育成を考える
 2 国語の果たす役割とその重要性
「これからの時代に求められる国語力について」文化審議会答申   平成14年2月20日に,文部科学大臣から文化審議会に対し、「これからの時代に求められる国語力について」が諮問され、文化審議会国語分科会において検討することとされました。その諮問においては、「まず国語の重要性について再確認し、その上で、これからの時代に求められる国語力とは何か、また、そのような国語力を身に付けるための方策などについて検討する」ことが求められました。
 それに対する、平成16年2月に出された文化審議会答申は「これからの時代に求められる国語力について」「これからの時代に求められる国語力を身に付けるための方策について」の2章から成るものです。
 なお、文化審議会答申の「国語教育」とは、学校教育における教科「国語」で扱う「国語科教育」をその中に含み込んだ「国語(言葉)にかかわる教育の全体」、すなわち、学校、家庭、社会において行われる「国語の教育全般」を指すものです。
国語の果たす役割と国語の重要性   「国語の果たす役割と国語の重要性」については、母語としての国語という観点から、
 ◇ 「個人にとっての国語」
 ◇ 「社会全体にとっての国語」
 ◇ 「社会変化への対応と国語」

という3点に整理されています。
個人にとっての国語  「個人にとっての国語が果たす役割」は、「知的活動の基盤」「感性・情緒等の基盤」「コミュニケーション能力の基盤」として、「生涯を通じて、個人の自己形成にかかわる」点にあるとしています。
  @ 知的活動の基盤
 国語によって、これまで人類が蓄積してきた「知識や知恵」を獲得することができ、また、知識なくして「創造性や独自性」を求めることは困難で、この点で、国語は各人の創造性などの根元的な基盤となっています。

A 感性・情緒等の基盤
 我が国の先人たちが築き上げてきた詩歌等の文学を読むことなどによって、美しい日本語の表現やリズム、人々の深い情感、自然への繊細な感受性などに触れ,美的感性や豊かな情緒を培うことができます。また、人間として持つべき、勇気、誠実、礼節、愛、倫理観、正義、信義、郷土愛、祖国愛などは、情緒が形になって現れたものであり、これらも文学などを通して、すなわち国語を通して身に付けることができます。

B コミュニケーション能力の基盤
 言葉や文字などによって、意思や感情などを伝え合いコミュニケーションを成立させることは、国語の最も基本的な役割であり、その意味で、国語は個人が社会の中で生きていく上に欠くことのできない役割を担っています。



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