冠島でのオオミズナギドリ調査
令和7年5月9日(金)~12日(月)
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本校理数探究科生徒7名が、冠島でのオオミズナギドリ調査に参加しました。
本校理数探究科では、希望生徒が舞鶴市や環境省からの特別な許可を得て冠島に上陸し、オオミズナギドリの標識調査の補助を行いながら、本校生徒の探究テーマである「オオミズナギドリの日周行動」について、毎年データを取っています。
無人島である冠島での調査は、まずテントをはって、自分たちの生活するスペースを作っていくところから始まります。水や食料も現地に運び込み、生態系を壊さない程度に繁茂している植物を刈り取り、生活できる空間を確立します。
その後、夜の調査に向けて調査エリアの下見と準備に行きます。冠島は人の手が入っていない原生林に近い植生で登山道などもありません。あたりはオオミズナギドリの巣穴が多数あり、気をつけながら移動する必要があります。
今年は夕方から雨と風に見舞われ、初日の調査は中止となりました。キャンプサイトには強い風と雨により過酷な状況となりましたが、皆で協力することでしのぐことができました。
2日目からはおおむね良好な天気でした。夕方にはオオミズナギドリが帰島前に冠島の周囲を反時計回りに周回する「鳥周り」と呼ばれる現象が見られます。生徒たちは、望遠鏡を用いて個体数をカウントしました。日によって計測される個体数にばらつきがあるなど、わかっていないことが多いです。
夜になると冠島調査研究会の標識調査の補助を行いました。区画内にいるオオミズナギドリを手で捕まえ、足にリングを付けたり、リングの文字を読み取り記録したりします。今回の調査で記録的な長寿個体が発見されましたが、その個体は高校生チームで捕獲したオオミズナギドリでした。捕獲したのは2年生生徒(17歳)、捕獲されたオオミズナギドリは35歳でした。
これらのデータは標識調査の管理を行っている山階鳥類研究所で今後保管されていきます。
本校は今後、得られたデータをまとめ、考察、発表し、体験を通じて感じた舞鶴の自然の素晴らしさについて広く伝えていく活動を行います。
輸送支援をしていただいた海上自衛隊の皆様、調査に同行し、専門的な知見や技術を教えてくださった冠島調査研究会の方々、環境省の方々、京都大学の皆様、ありがとうございました。
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冠島までは海上自衛隊の皆様に支援していただいています |

島内の至る所にオオミズナギドリの巣があります |

島に帰ってくるオオミズナギドリの数をカウントしています |

オオミズナギドリが島に帰ってきました |

特別な許可を得て捕獲・標識調査を行っています |

アリの専門家の方にも貴重なお話を聞かせていただきました |

島を散策するとたくさんの気づきがあります |

ハマヒルガオです。島の美しい自然に触れることができました |