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平成18年度研究事業
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※特別な支援が必要な子どものために考えられた支援の例が掲載されています。全て京都府内の小・中学校で実際に使われているものです。
認
知のアンバランスや社会性の発達に弱さがある子ども達への支援は、
その子にだけ、特別なことをすることなのでしょうか?
あの子にだけ、こんな支援をすると周りの子と差ができるから
できません。
自分だけ特別扱いされるのはいやだって、本人がいうんです。
時々、こんな言葉を先生から聞きます。もちろん教室の中で、周りの子と一人だけ差をつけたり、特別扱いしたりすることは、望ましいことではありません。学校では、教科学習をはじめ、生活に関わることを含めたくさんの事を指導します。日頃から先生は、学級の子ども達一人一人の個性を理解しながら、わかりやすい指導を目指して様々な工夫をしているはずです。認知のアンバランスや社会性の発達に弱さに応じた支援を特別な支援と考えず、日常の指導の延長線上に考えることはできないでしょうか。
認知のアンバランスや社会性の発達に弱さがある子ども達の支援のポイントは、「わかりやすい! 使いやすい!」です。そんな支援は、やっぱり教室の多くの子ども達にとっても、当然「わかりやすい!使いやすい!」はずです。グッドアイデアは、教室の多くの子ども達にも使ってみましょう。
でも、忘れてはいけないことがあります。子ども達はどの子も、一人一人ニーズを持っています。全ての子に有効な支援、オールマイティーな支援はありません。そのため、様々な工夫やバリエーションに富んだ指導法や教材の工夫が必要です。常に、「この方法では、わかりにくい子もいる」ことを頭に置いておくことが大切です。
忘れてはいけないことが、もう一つあります。環境や道具、教材の工夫は確かに大切です。でも、それだけではうまくいきません。そこには、必ず暖かく励ましほめてくれ、定着するまで根気強くつきあってくれる人が必要です。
先生、あなたが必要なのです。
このページには、アイデアのヒントにしていただくために、学校の環境面での工夫や教材教具や授業での工夫を掲載しています。きっと、「私もやってる。」「うちの学校にもあるわ。」というものがたくさんあると思います。こういう支援も助けになっているんだということを、先生方が意識されることで、より有効に使えたり、そこから新たな工夫が生まれたりします。
あなたの目の前にいる子ども達に応じたあなたのオリジナルを作ってください。
■1 机の上はいつもぐちゃぐちゃ! 落とし物もいっぱい・・から脱出
筆箱、教科書、ノートを置く位置を、机にテープを張り、区切って示しました。
筆箱の中の必要な物をわかりやすく掲示しました。
みんな筆箱に入ります。落とし物も少なくなりました。
できるようになったら、いつまでも支援を続ける必要はありません。後は、場所や物が違っても自分で工夫できる力をつけることが大切です。そのためには、低学年での、基礎的な指導が有効です。大切です。最初が肝心。
■2 係や当番の仕事もちゃんとできます。
「また、できてない!きちんとしなさい!」の前に、「こうしましょう。」を子ども達に渡すのが先生の仕事です。
音楽の時間に使うCDの管理は音楽係の仕事です。CDに貼ったシールとファイルのシールの色を合わせると、間違いなく片付けられます。
教室の掃除の仕方をマニュアル化し掲示しました。手順のマニュアル化は、子ども達だけではなく、先生の指導がばらばらにならないためにも有効です。先生によって、日によって、指導が違うと子ども達は混乱します。
一目でわかる支援が成功の鍵!
日直の仕事を一つ一つカードにし、出来たら裏返して確認します。全部めくると、日直の仕事が終わります。一目で、先生も本人もチェックができます。「よくがんばりました。ご苦労様」で、1日を気持ちよく終われます。
■
3 みんなで使うもののマナーも自然に身につきます。
靴箱への靴の置き方を、一目で分かるように絵にして掲示しました。
足を置く位置をタイルの上に描きました。
■4 パターン化、マニュアル化も役立ちます。
「ひとりで、できるもん!」をサポートできるのです。
朝の会の司会の仕方をマニュアル化しました。
状況にあった挨拶や表現ができるように、ことばの例を掲示しました。
助けているのは、言い方だけではありません。こういう風に考えると、頭の中も整理されます。
パターンの次は、パターン脱却が目標です。
■5 学びやすい教室、わかる板書 が学びの扉を開けます。
テニスボールはめると椅子をひく音がとても小さくなります。静かで落ち着いた教室になりました。
低学年の指導では、教科書と同じような板書がわかりやすかったようです。
計算の手順をカードにして掲示しました。唱えながら計算します。
■
6 見通しが持てると落ち着いて取り組めます。
「何時まで?どこで?どれだけ?何を?・・」をはっきり示しましょう。
何時までに、何をするのかが一目瞭然です。
1日の流れや持ち物が一目で分かるように書いています。中学校や高等学校でも、持ち物や提出物の期限がかいてあると、随分たすかります。
■7 具体物にも、ひと工夫。
学習する内容に合わせて、色々な種類の教具をそろえています。
ブロック止めの台があるので、
ずれません。
■8 人の顔と名前を覚えるのは苦手だけれど、これなら大丈夫です。
男子・女子のイラストを貼り、名前を書く場所をわかりやすくしました。
グループ名と一緒に写真を掲示しました。こうすると、グループのメンバーもおぼえられます。
■9 聞くだけではよく分からなかったけれど、これなら間違えません。
定例行事はパネルを貼って告知。日にちと集合場所を書き添えます。
毎回練習場所が変わる体育祭のブロック練習場所は掲示します。全員がスムーズに動けます。
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