(2) 保護者との連携 目次へ戻る

  D、ADHD、高機能自閉症等の児童への支援が、生活の充実や今後の成長つながるようにするためには、保護者との連携が重要であることはいうまでもない。保護者との相談においては、学級担任を中心に進め、必要に応じて特別支援教育コーディネーターも参加することが大切である。最初から保護者と協力関係を結ぶことが難しい場合も多いが、その際、コーディネーターが担任を支援したり、担任とは違う立場で保護者の考え方や希望を受けとめたりすることが大切である。
相談の際は、「ADHDの傾向があります。・・」等、憶測で話をしたりすることは厳に慎まなければならない。こういう障害があるということを保護者と共有するのではなく、学校でみられる児童の困難さに対する指導・支援の具体的な手立てや評価において連携を図っていかなければならない。
今後は、特別な支援を必要とする児童の保護者との連携だけでなく、全ての保護者の理解を進めていくことが必要である。
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連携を進めるための工夫例

◆ 家庭訪問や個人懇談会の前に特別支援教育校内委員会を開催し、指導・支援方法を
  校内で確認する。
◆ 保護者と連携して個別の指導計画を作成する。
   ・ 作成前に保護者の願いを聴取
   ・ 保護者+担任+コーディネーターで作成
   ・ 作成後保護者に説明
◆ 指導・支援の評価を保護者に連絡⇒必ずプラスの評価も伝える。
◆ 保護者との相談の定例化
◆ PTA総会や学校だよりを通じて特別支援教育の取組を紹介

  実態把握、個別の指導計画の作成段階から保護者と連携していくことは、指導・支援を適切かつ有効にしていくためには重要である。しかし、現状では、学校が作成し、保護者に理解を求めるにとどまっていることが多い。保護者との相談の定例化、課題だけでなくプラスの部分を伝えるなどは、すぐにでも実践可能な取組であるので参考にしてもらいたい。
 保護者との信頼関係を基盤とした連携は、個別の教育支援計画の策定に向けて大きな一歩となる。

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