「研修・研究」の進め方
 
 
○「子どもの側」から自分のかかわりをみる
 教育相談における「研修・研究」の中で最も重要なことは、「子どもの側」から、教師である自分の関わりを「見る」、「振り返ってみる」ことです。「子ども」に「自分のかかわり」がどのように届いたか、「子どもの側」から自分の関わりを「視る・観る・診る」ことであると思われます。
 教師である自分の方から相手(子ども)をみるのが「指導」であるとすれば、「自分と相手」について、相手の側からみるというのが「相談」であると言えるでしょう。
 日頃の自分の教育実践について、「教師である自分の関わりが、どれだけ子どものためになったのだろうか」というふうに振り返ってみるとどうでしょうか。子どもは教師の「言葉」をどんなふうに受けととめているのか?子どもに自分の「言葉」がどんなふうに届いたのか、これは子どもによって違うはずですから、ここで教育相談研修の中心である『聴く』ということの必然性が生じるわけです。
 自分の関わりが相手にどのように届いたか。これを知るためには子どもの表情や態度等、言葉には表すことのできないノンバーバルなものも含めて、『聴く』ということでしか、わからないものなのです。
 
 
○「いい仕事」
 指導計画に従って1年間、授業して、懸命に教えるのも「いい仕事」と言えるでしょう。しかしながら、本当の意味での「いい仕事」というものは、相手がどうだったか、相手の方から眺めて「いい仕事」であったとき、初めて「いい仕事」と言えるものでしょう。
 自分が教えた、指導したからというだけで、子どもに力がついたとは限らないし、相手の「感じ方」まで教えたり、指導したりするということはできないものです。
 教師である自分の仕事について、今一度、「研修・研究」を通して、相手の側から自分の仕事を眺めてみると、自分の仕事観、広くは教育観、人生観をも変えてしまうこともあるでしょう。
 
 
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