不登校の未然防止のための「見立て」のポイント@
 

@「おかしいな、へんだな」と思ったら、SC等から助言をもらうこと
 たいていの場合、心の専門家のところに教師が相談にやってくるのは、「教師が困ったとき」です。
 でも、「教師が困ってから」というと、多くのケースはすでに不登校が顕現化した後であり、子どもが学校に来ていないという状態ですから、日常的な手立てを講じ、学校での心のケアを継続するには、すでに手遅れという場合も多くみられます。
 では、不登校の未然防止のためには、気になる子どものことについて、教師はSCなどの心の専門家に、いつ相談したらよいのでしょうか。子どもたちの不登校の未然防止のための、コンサルテーションの時期はいつがよいかということです。
 子どもの欠席が2〜3日続いたとき、遅刻や早退が断続的に続いたときでしょうか。休み時間に急に一人でポツンとしていたり、暗い表情で元気がなくなったときでしょうか。
 これには明確な「答え」というようなものはありませんが、不登校の未然防止のためには「教師が困ってから」では遅いのですから、教師は登校している子どもを日常的に観察していて「おかしいな、へんだな・・・」と思ったとき、早めに心の専門家に相談をするべきです。

 
 
 
不登校の未然防止のための「見立て」のポイントA
 

A「子どもの人物像を生き生きと描く」 ということ
 気になる子どものことで、教師がSC等の心の専門家からのコンサルテーションを受ける場合、どのような子どもの情報をSC等に届けるかということがとても重要です。
 コンサルテーションの場合、通常、SC等の心の専門家は、直接その子どもに会わずに、教師が提供した情報をもとにコンサルテーションを行います。ですから、その情報がコンサルテーションの善し悪しを決定することにもなります。
 この際、教師は、「子どもがどんなふうに感じていて、どのようにやろうとしているか」という、子どもの内的な世界を見つめながら「子どもの人物像が生き生きと描ける」ようにすることが大切です。
 欠席、遅刻した日数や、教室に登校できた、できなかったというような「水面上の外的事実」とともに、子どもの内的な世界で起こっている「水面下の内的事実」を見つめると、子どもの人物像が生き生きとして描けるようになります。(詳しくは「こころの海に潜ること」参照)
 生き生きとした子どもの人物像がコンサルタントであるカウンセラーに伝わると、コンサルテーションに具体性が生まれ、解決のための方策もみえやすくなります。

 
 
indexに戻る
 
次へ