「キレる子」の弱さを診る
 キレる子どものなかには、例えば生来的にすごく引っ込み思案であるとか、友だちに何かちょっとしたことを言われるとすごく落ち込むとか、社会性の脆弱さや何らかの能力的な弱さを抱えた子どもも確かにあるにはあるようです。

しかしながら、キレやすいと見なされる子どものほとんどは、年齢相応の強さや逞しさを本来は備えているのに、こころの守りが薄いために、こころが弱くなってしまっているのではないかと思われます。

 こころの守りの薄さとは、とりもなおさず「傷つきやすさ」「キレやすさ」そのものであり、それは子どもの柔軟性、融通性のなさやこころの緊張に起因していることがほとんどではないかと思われます。

 子どもたちは大なり小なり、心の傷つきと癒しを毎日自然に繰り返しています。

 これは大人であってもそのメカニズムはなんら変わることはないと思われますが、私たちはそういう日々の繰り返しの中で、こころの守りを厚くすることができているのだろうと思われます。

 こころの守りが薄いとき、普通にみれば、ちょっとした些細なことでも、簡単にこころを傷つけてしまうということになります。

 傷つきやすい、その子どもの「こころの守り」の薄さについて、親や教師は、まずきちんとその弱さを「診る」ということが大事であると思えます。
 
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