「まなび教育推進プラン」(中間案)に係る
パブリックコメントの要旨及びこれに対する府の考え方

「確かな学力」の向上
項目 意見の要旨 府の考え方
国語力の育成について  ○国語力の育成のために授業改善や学校図書館の充実と、家庭・地域をまきこんだ読書活動の推進が重要と考えています。 □国語力を育成するには、国語科はもとより、教育活動全体を通じた「国語教育の充実」と「読書活動の推進」が重要と考えています。授業改善や教材開発に取り組む「京都夢・未来校」等を指定して、その取組成果を府内全域に広げるとともに、教員の資質向上のための研修を実施しているところです。
今後は、学校教育と社会教育が一体となって読書活動の気運を盛り上げるキャンペーンなども実施していきたいと考えています。
○読書の充実のためには、学校図書館に指導の先生が居ることが絶対必要です。読書指導員、または司書教諭の専任化をお願いします。
○学校の図書館を子どもの学ぶ場として活性化させるために、司書教諭を配置することが効果的ですが、図書館の支援ボランティアの活動も入れればいいのではないかと思います。
□学校図書館は、児童生徒の自由な読書活動や読書指導の場として、創造力を培い学習に対する興味・関心等を呼び起こし豊かな心をはぐくむ読書センターとしての機能と、児童生徒の自発的・主体的な学習活動を支援し、教育活動の展開に寄与する学習情報センターとしての機能を有し、学校教育の中核的な役割を担うことが期待されています。
学校図書館を活用した教育活動の充実を図っていくためには、司書教諭が中心となって、すべての教職員が連携・協力して学習活動、読書活動を推進していくことが重要です。
今後も、学校図書館機能充実を図るため、司書教諭の計画的な養成に努めるとともに、学校図書館支援ボランティアの養成や研修を充実していきたいと考えています。
○読書離れ、活字離れが言われて久しい。幼少期に読んだ本の記憶は、一生涯、忘れることのない貴重な体験となり、加えて言葉の力、文章力、思考力の譲成に大いに役立つ。そういう意味では、保育園や幼園での読み聞かせ、小学校での「朝読書」、家庭では、「絵本の読み聞かせ」を制度化する位の施策配慮が必要ではないか? □乳幼児期の絵本や童話との出会いが、後年、その人の生涯を貫くよりどころとして息づいていくこともあります。このため、平成16年3月に策定した「京都府子どもの読書活動推進計画」に基づき、家庭、学校、地域社会が連携し、社会全体で読書活動の気運を高めるための取組を進めています。
○プロの講師や本物の演劇等の文化鑑賞の取り入れは興味、関心の高揚とともに刺激となり大いに啓発されると思う。
○アナウンサーや作家を学校に招いて講演や指導をしてもらうことにより、子どもの学力の向上につながることになると思います。また教師の指導力にも影響することになり、効果的だと思います。
□言葉に関する専門的指導者を学校に派遣することは、児童生徒の表現力及び理解力の育成と教員の資質向上に大変効果的であると考えています。
言葉の大切さを意識し、言葉の持つ意味や魅力・役割を実感する機会を設定することが大切であると考えています。
○国語では表現力に関わって、音読や朗読をもっと重視できないでしょうか。日本人にはコミュニケーション能力がもっと必要であり、小さいときからスピーチの大会などで自分の思いを伝える機会を多く設定していくことが大切だと思うのです。 □児童生徒が、声に出して詩や作文 を音読したり、朗読したりすることは、大切な言語活動であります。
音読や朗読を通して読み手として感動を聞き手に伝えたり、日本語の美しさを体感させる取組にしていきたいと考えています。
○国語科における教員の研修の充実をさらに進めていただきたい。 □京都府総合教育センターにおいて、経験年数に応じた基本研修や、より高い専門性や実践力を身につけるための専門研修、特別研修等を実施しています。
今後、さらに大学等と連携し、国語科教育において中核となり授業改善を推進する指導者の育成にも努めていきたいと考えています。
○国語力育成のために「新聞」をもっと活用したらいいのでは。実際に新聞づくりを体験するのもいい国語の勉強になると思う。 □言葉や情報の宝庫である新聞を生きた教材として活用することは、児童生徒の表現力や理解力を育成するために効果があると考えています。
そのため、児童生徒自らが取材し作成した記事を新聞に掲載するなど、報道機関と連携した取組を充実していきたいと考えています。
家庭学習の習慣化(家庭学習支援)について ○家庭学習の改善は看過することができない部分です。基礎・基本の確実な定着を図るためにだけでなく、将来の豊かな進路実現のため、また生涯学習の基盤を築くという視点においても家庭学習の習慣化は児童にとって必要な「生きる力」となると考えるからです。
○家庭学習の習慣化にむけて府教委や学校は保護者に積極的に啓発を行うべきだ。学力向上には家庭との連携が不可欠だと感じる。 
□自分で課題を見つけ、自ら学び、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する資質や能力を育成するためには、学校はもとより家庭での学習習慣の定着を図ることが大切です。
そのため、学校と家庭の連携をより一層重視して、家庭での学習習慣の定着に向けた取組を工夫しながら、自ら学ぶ力の育成に取り組んでいきたいと考えています。
○家庭学習の習慣化の重要性には共感しますが、それには家庭教育の向上が不可欠だと思いますので、その向上策をよろしくお願いします。 □家庭教育はすべての教育の出発点であることから、子どもが健やかに成長するために家庭教育の在り方や親の役割の重要性等について理解を深めるフォーラムを府内各地で開催しており、今後、より一層充実していきたいと考えています。
○家庭学習については、発達段階に応じて宿題の消化からはじまり、次第に自分の課題に応じた主体的な学習の仕方に向けた指導に転換すべきで、その方策を研究し、指導していくべきではないか。 □発達段階に応じて家庭における学習や課題を適切に児童生徒に与えることにより、児童生徒がより主体的に家庭学習に取り組むようにしていくことが重要であると考えています。
子どものための京都式少人数教育について ○子どものための京都式少人数教育によって、小学校においては習熟の程度に応じた学習など授業の充実を図ることができる。また、低学年における2人の教員による指導により、個別の課題に応じたきめ細かな指導が進められ効果的である。ますますの充実を期待する。
○京都式少人数教育を進めるに当たり、学校の実情や課題に応じてよりよい活用ができるよう、裁量を広げてほしい。
○子どものための京都式少人数教育は地域、保護者の願いや子どもの実態に即して柔軟に対応できるたいへん効果的な取組だと思う。
□子どものための京都式少人数教育は、義務教育9年間を見通して、学年の特性や児童生徒の発達段階に即した効果的な指導方法や柔軟な指導体制により、個に応じたきめ細かな指導を進め、児童生徒一人一人の学力向上を図る事業です。
小学校1、2年生については、生活習慣・学習習慣の定着を早期に図るために2人の先生による指導ができるよう教員を配置し、基本的に小学校3年生以上では学校や児童生徒の状況に応じて、少人数授業、ティームティーチング、少人数学級を市町村教育委員会が選択して実施できるように教員を配置しています。
また、本年度からは中学校1年生で30人を超える学級において、初めて教科として学習する英語と内容が高度化する数学において少人数授業やティームティーチングの少人数教育が実施できるように教員を配置しています。
府内の小中学校の児童生徒や保護者、教員を対象に行ったアンケート調査でも、子どものための京都式少人数教育は概ね好評を得ており、今後も一層の推進を図っていきたいと考えています。


不登校総合対策
項目 意見の要旨 府の考え方
相談室等における学習支援や相談活動について ○「不登校総合対策」については、大変期待しています。京都府の不登校対策は、非常にきめ細かく、ぬくもりのあるものです。特に、本プランの「別室サポーターを配置」は、献身的に努力をいただいている学校の先生方を支援するものであり、それは、再登校を目指して頑張っている子どもや保護者を勇気づけるものです。今後とも、一人一人に光があたる、ぬくもりのある京都府の施策をお願いします。
○中学校での不登校の激増に対応して中学校でのサポーターの配置を推進されることはたいへん良いことだと思います。しかし、不登校の要因の根は潜在的に小学校時代から引きずっている場合が多いので、小学校にも別室での相談活動が行える施策の充実を望みます。
○小学校にも別室で学習支援をするための人的支援をお願いしたい。
□すべての児童生徒が豊かな人間性や社会性とともに、生涯にわたる学習活動を支える学力を身につけるなど、それぞれの自己実現を図り、また社会の構成員として必要な資質・能力の育成を図る観点から、不登校児童生徒の状況に応じて総合的な取組を推進しています。
その中で、学校には登校できるが 教室には入れない児童生徒が心の居場所となる相談室等において、学習支援や相談活動を行うサポーターを小中学校に配置し、自らの進路を主体的にとらえ、社会的自立を促す取組を充実していきたいと考えています。
○別室等で学習支援や相談活動を支援いただく人の配置を是非小学校にもお願いしたい。ただ、「別室」という呼び方には違和感を感じます。もっと「夢」を持てるような前向きな名前はないものでしょうか。一人一人にスポットが当たる場所というような場所にしていただきたい。
○別室サポーターに名前をつけて子どもたちが親しみやすく学習への支援もできる人をお願いしたい。
□「別室サポーター」については、御指摘の点も踏まえ表記を改めました。具体的な名称については、今後、検討し御指摘の趣旨に沿うようにしたいと考えています。
2 スクールカ
  ウンセラー
  について
○スクールカウンセラーの配置を全中学校にお願いしたい。また小学校へスクールカウンセラーは無理でもなんらかの人的配置をお願いしたい。
○中学校にはスクールカウンセラーが配置されているが、小学校に子どもたちが相談できる人の配置をお願いします。
□個々の児童生徒が不登校となる背後にある要因や直接的なきっかけは様々であり、一つに特定できず複雑・多様化しています。
「心の専門家」であり臨床心理士の資格を有するスクールカウンセラーを配置することにより、不登校児童生徒へのカウンセリング、教職員や保護者への専門的な助言、援助を通して、課題の解決に効果をあげているところです。
今後は、スクールカウンセラーの全中学校への配置、高等学校への配置の拡充、小学校への巡回などのシステムづくりに取り組んでいきたいと考えています。
また、相談室等で学習支援や相談活動にあたるサポーターを小中学校に配置していきたいと考えています。
○総合的な不登校対策が重要であると考えます。とりわけ、小・中・高の一貫した指導対策は大切であり、スクールカウンセラーの高校への配置の拡大。更に、教室以外の場所で学習指導や相談活動を行う支援者を中学校だけでなく小学校にも配置をしていただきたい。ぜひとも。
○中学校へのスクールカウンセラーの配置は必要だと考えます。昨今の高校生の問題行動からも高校への配置も必要です。スクールカウンセラーが中学校に全校配置されることにより、その質の向上というか、学校との有効な連携が図れるような手だてがあればいいなと思います。
○不登校の課題の大きい本校では加配、スクールカウンセラーの果たす役割は必要不可欠。週1回のスクールカウンセラーは終日面接者でいっぱいの状況である。中学ブロックでの教育相談部会(学期1回)でも活躍している。
3 その他
○「不登校別室等のサポート配置」等に「適応指導教室」を含み、適応指導教室を施策の対象に入れてほしい。 □スクールカウンセラーへの相談件数も増加していることから、スクールカウンセラーの配置を拡充するとともに、府総合教育センターや北部研修所にスーパーバイザーの配置を拡充していきたいと考えています。
また、平成17年3月に「不登校児童生徒の民間施設に係るガイドライン」を作成するとともに、本年度からは「民間施設連携支援事業」を実施しており、民間施設との連携に取り組んでいます。
今後とも、民間施設で学校復帰に向けて懸命に努力している児童生徒の支援の充実をより一層図っていきたいと考えています。
○相談体制の充実を図ってほしい。それと案で示されているアドバイザーは学校にとっては非常にありがたい支援であるので、小、中学校にも積極的に配置をいただきたい。また、民間施設との連携も進んできており、お互いが力を出し合って子どものために努力できるような体制を整備していただきたい。


意見募集結果 まなび教育推進プラン プランの検討経過と検討委員メンバー


京都府教育委員会
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