本冊子では、「自閉症の特性や自閉症のある子どもへの対応について基礎知識をある程度持っていても、その意味を十分に理解していないと陥ってしまう誤り」を整理し、以下の2項目のねらいで編集しています。最近、「数多くの具体的な手立て」を紹介している入門書や対応集が発行されていますが、本冊子はそれを目的とはしていません。
- 自閉症の特性や自閉症のある子どもへの対応について基礎知識をある程度持っている教員が、その意味の理解を深め、自閉症のある子どもに対する自らの対応を振り返ることができるようにすること。
- 基礎知識を十分持っていない教員でも、自閉症の特性や基本的な対応について理解することができるようにすること。
また、以下の項目について留意してください。
- 自閉症等の診断の有無を問わず、また、厳密な意味での自閉症だけではなく、アスペルガー症候群や非定型自閉症などを含む広い概念(「広汎性発達障害」「自閉症スペクトラム」の概念にほぼ一致)として「自閉症」という用語を使用しています。
- この冊子では、様々な場面での子どもの行動と対応について、その意味や教育的効果について解説しています。ただし、この冊子にある行動の特徴が当てはまるからといって、「自閉症がある」というわけではありません。大切なのは、その子どもの特性をしっかりと把握して対応するということです。
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