乳幼児期における両親からの虐待の見られるケースは、深刻で重篤である場合が多く、その子ども自身の心理的問題の所在が見えにくいことがあります。
虐待に絡むその子ども自身の心理的問題が、子どものパーソナリティによるものだから仕方ないとか、あるいは、「こころの病気」なのだから仕方ないといったような虐待の事実と無関係なところでとらえられてしまっていることも多くあります。
虐待された子どもの深刻な状態を心理的発達的に虐待との関係で理解、考察する際に、説明のための臨床心理学用語の若干の使用が必要となり、その窮屈さをお許しいただきたいと思います。