一定のある限度内の「反抗」に対しては、親・教師が「大きくなる」ことしか、それを克服することはできないと考えられます。
「大きくなる」とは次のようなことだと考えています。
ほんの些細なことでカッとなる、叱りつける、自分の期待するとおり望むとおりにならないと不機嫌になる、小言を言う、無視して拒否的になるなど、子どもに対してそういう行動をとるのは自尊感情(Self-esteem)−「〜だと思っている自分」−が低いためなのでしょう。
自尊感情とは「自分についての価値評価とそれに伴って起きてくる感情」のことです。
自尊感情が高く、現実的で安定している人はほどよい自信をもつことができますが、自尊感情が低いと、子どもに責められ攻撃的に反応されたとき、「自分はダメな親(教師)だ」と評価され、自分自身を否定され拒否されているように感じるから腹が立つのです。
親(教師)はこうあるべきだというような自分への要求水準が高かったりすると余計にそうなると思われます。
適度に自尊感情が高ければ冗談としてすませられることも、「許せない」攻撃として映ってしまうのです。
「子どもは自分の期待どおり望むとおりにはならない、親(教師)とぶつかって当然だ」と頭では理解できていても、心の方は「許せない」のですから、深いところで子どもとつながることができないのです。
「自分も悪かった」と認めることはさらなる自尊感情の低下を招くので、心の深いところで互いを認め合うことができないと考えられます。
親や教師は、子どもの内的な成長にうんと耳を傾け、心からその成長の喜びを感じられるように「大きくなる」ことが求められるのでしょう。