京都府立盲学校

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全国盲学校長会「タイムカプセル事業」経過記録
−−−その発端から完了まで−−−

全国盲学校長会タイムカプセル委員会

○昭和50年1975年5月、東京で開かれた春季総会(会長 福本礼一)で「100年記念事業研究委員会」か特設された。これは3年後に迫った盲教育創始百年を記念していかなる事業を実施すべきかの研究を任務とし、つぎの10名が指名された。高倉幸蔵(札幌) 柳沼誠(福島〕 武藤文雄(茨城) 伊藤真三郎(八王子) 船山 保(富山) 本間伊三郎(大阪府) 松本富穂(和歌山) 二神寛一(松山) 福本礼一(徳島) 木下忠篤(北九州)( )内は所属校

○昭和51年10月、埼王県長瀞町で開かれた秋季総会(会長 堀 政夫)で、研究委員会はつぎのような研究結果を報告、提案した。
 (1)著名な盲人音楽家による演奏会を開く。
 (2)東京教育大学雑司ケ谷分校内に「盲教育資料室」を設ける。
 (3)全国盲学校写真集を編さん発行する。
 これに対し総会は「全国特殊学校長会を中心とする”特殊教育百年記念会”が大規模の記念事業を行う模様であり、また各都道府県においてもそれぞれの計画があるので、本会としてはなるべく簡素なものに止めるべきである」との意見が大勢を占め、研究委員会に再考を促した。

○昭和52年6月、東京で開かれた春季総会で、同委員会から、前回の提案にかえて「タイムカプセル事業案」が提出され、全会一致で採択された。
 この案はつぎの3項目が前提ときれていた。
 (1)現時点における盲学校教育の全容をあらわす資料をあつめ、「タイムカプセル」に収納し、100年の後につたえる。
 (2)タイムカプセル容器の保管ないし埋設個所は京都府立盲学校とする。
 (3)「研究委員会」は解散し、新たに近畿地区校長会を中核とする「タイムカプセル委員会」を発足させる。

○昭和52年8月、金沢市で開かれた校長会理事会へ京都府立盲学校から「タイムカプセル」を保管することを応諾する旨の回答がよせられ春季総会の議決は正式に成立した。

○昭和53年6月、東京で開かれた春季総会で近畿地区校長会は大要つぎの提案をし、承認された。
 (1)タイムカプセル委員会は各地区より1名(近畿地区は3名)の委員で構成する。
 (2)地下埋設の方式は高価(100万円以上)な真空容器を必要とするので、これを断念し地上保管の方式をとる。
 (3)収納物の各分野の決定とそれの分担は後日「委員会」が行い、各地区に依頼する。
 (4)委員会を7月末大阪で開く。
 なお総会終了後つぎの者が委員として正式に登録された。北海道=高倉幸蔵(札幌) 東北=西巻逸平(秋田) 関東=池田秀夫(群馬) 東海=伊藤 登(岐阜) 北陸=吉岡正一(富山) 近畿=古川義照(大阪市) 近畿=大島 要(京都 )近畿=本間伊三郎(大阪府) 中国・四国=阿部信賢(徳島)

○昭和53年7月25日、タイムカプセル委員会が大阪の大阪市教育研究所で開かれた。出席者は伊藤、吉岡、古川、大島、本間、阿部、木下の各委員でほかに入江淳(神戸)が出席した。なお協議にさき立ち一同は大阪城内万国博記念タイムカプセル埋設地点ならびに大阪市立博物館内同収納物陳列室を見学した。この日の申し合せ事項はつぎのとおりであった。
 (1)収納物の分野およびその担当
  A.総括資料=関東 B.点字等コミュニケーションー=北海道 C.教科指導=東北 D.養護・訓練=北陸 E.寄宿舎=東海 F.体育・スポーツ=中・四国 G.理療教育=九州 H.理療以外の専門教育=近畿 I.重複障害教育と交流教育=近畿ほか
 (2)収納物の容量は各分野とも段ボール函(45p×26p×33p)1個大とする。
 (3)京都府立盲学校へ送付の期限は昭和54年3月末とし諸経費はすべて各地区の負担とする。

○昭和53年8月3日長崎で開かれた校長会理事会に上記の申し合せが報告され、すべて承認された。

○昭和53年9月、兵庫県洲本市で開かれた秋季総会で再度タイムカプセル事業完遂の協力が要請され全員が了承した。

○昭和53年12月、近畿地区の古川、本間両委員および印牧邦雄(福井)、万歳敏夫(奈良)の両協力委員が奈良国立文化財研究所へ坪井清是所長を訪ね、この事業について助言を求めた。これは同所長と印牧協力委員が京都の大学において同クラスであった縁によるもので、つぎのような助言を得た。
 (1)収納容器を桐材の二重構造とすることによって収納物を百年後に遺すことは十分可能である。
 (2)価値観の変化を考慮し趣意書(メッセージ)ならびに収納物の解説書を添えること。また目録は多くの者が所持することが望ましい。
 (3)所有者ならびに管理責任を明確にした「協定書」も配慮すること。
 (4)収納物としては録音テープ、フイルム等はなるべく避けること。
 これ等は各地区の委員に通知し徹底を期した。

○昭和54年5月26日、近畿地区の古川、大島、本間の各委員および入江、印牧両協力委員(若栗教諭が代理出席)が京都府立盲学校に参集し各地区から搬入された収納物を点検整理した。また古川委員の起草による「協定書」を検討し、次期総会提出に備えた。

○昭和54年6月、東京で開かれた春季総会(会長 伊藤真三郎)で、本事業の協定書を上提、原案通り承認された。また委員のうち転退職したものの補充がつぎのとおり行われた。
 北海道=本田幸一(札幌) 関東=伊藤真三郎(久我山) 東海=藤野忠義(名古屋) 北陸=稲垣剛一(富山) 中国・四国=阿部功(徳島) 九州=花田 正(福岡)
 その他、8月上旬に京都府立盲学校において収納式を挙行し、本事業の一切の業務を完了することも承認された。

○昭和54年7月7日収納式挙行に関する通知が校長会長 伊藤真三郎とタイムカプセル委員会代表 本間伊三郎の連名により関係者に発送された。大要はつぎの通り。
 (1)期日8月4日(土)午前10時より
 (2)会場京都府立盲学校
 (3)出席者タイムカプセル委員 校長会正、副会長 その他の関係者

○昭和54年7月23日、本間委員が吉原一夫大阪府盲教頭を帯道し京都府立盲学校におもむき来る収納式の準備をした。

○昭和54年8月4日、収納式を挙行、一切の業務を完了。

以上


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