京都府立盲学校

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「京都盲唖院関係資料」の国の重要文化財指定答申を受けて

 平成30年3月9日、京都府立盲学校と京都府立聾学校が所蔵する「京都盲唖院関係資料」3,000点が、国の文化審議会の答申を受けて、重要文化財(歴史資料)に指定される運びとなりました。本指定に向けて御尽力いただきました文化庁並びに京都府教育委員会文化財保護課の皆様方に厚くお礼申し上げます。

 指定される「京都盲唖院関係資料」の概略は次のとおりです。
 文書・記録類1,153点、教材・教具類193点、典籍・教科書類1,253点、凸字・点字資料221点、生徒作品84点、書跡・器物類64点、写真・映画フィルム32点 以上
 こうした明治以後の学校所蔵資料が国の重要文化財に指定されるのは、大学を除いて公立学校では初めてのことです。

 さて、京都府立盲学校と京都府立聾学校の前身である京都盲唖院は、明治11(1878)年に、わが国で最初の公立の盲唖院として創立され、今年で140周年を迎えます。日本で最も古い盲学校と聾学校であり、今日の特別支援教育の原点でもあります。
 明治時代から実際に使用された教材などが、学校現場に残されている意味は深く、独自に創意工夫した「教具や作品」を通して、盲聾教育に携わった先人たちの努力を実感できるなど、その価値は計り知れないものがあります。
 これまでも、特別支援教育の源流や社会参加の原点を学ぼうと、多くの方が資料室を訪れてくださいました。また、研究者による学術的な研究対象として、優れた論考も生み出されてきました。
 現在、創立者の古河太四郎先生をはじめとする先人が創出し、伝承してきた資料群から、インクルーシブ教育、障害者への合理的配慮といった、今日の課題に向き合う知恵を豊かに汲みつくすことが求められています。また、本校の所蔵資料が日本を代表する重要文化財に指定されることによって、諸外国からも注目され、新たな研究発展の契機になる可能性もあると考えます。
 幸い、貴重な御寄付によって資料室の設備や環境が整備され、資料保存の手立ても改善・充実しつつあります。今後も、歴史資料の収集・修復、デジタル化、レプリカ作りなどにも力を注ぎ、その保護・管理に留意しながら、効果的な活用に努めてまいりたいと意を新たにしているところです。
 大切に伝え継いでくださった先輩たちや、守り支えてくださった府民の皆様方に改めて感謝いたしますとともに、今後とも、京都府立盲学校と京都府立聾学校に対する御支援をよろしくお願い申し上げます。

平成30年3月9日

京都府立盲学校 
校長 中江 祐
京都府立聾学校 
校長 酒井 弘


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