科学の教室E クリスマスレクチャー |
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『太陽フレアと恒星スーパーフレア』 |
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講師: 野上大作先生(京都大学大学院理学研究科宇宙物理学教室・准教授) |
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2017年12月18日(月) 15:40〜16:40 /本校LL教室 |
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12月の『科学の教室』はクリスマスレクチャーと銘打った講演会。多くの高校生が興味を持ち、そして夢のあるテーマということで、昨年に引き続き「宇宙」をテーマにした講演会を実施しました。講師としてブラックホール、超新星爆発、そして太陽フレアなど、宇宙で起こる様々な爆発現象を研究されている京都大学の野上大作先生に講演をしていただきました。
2017年9月8日、太陽表面で最強クラスの太陽フレア(爆発)が発生し、その影響でGPSの精度が低下したというニュースが報道されました。また1989年にはさらに大きなフレアの発生により、カナダのケベック州で9時間にわたる大停電が発生したこともあります。太陽などの恒星の表面では、私たちの想像を遥かに超えるエネルギーの爆発(フレア)が起こっています。フレアの発生メカニズム、プラズマの放出と地球への影響、遥か彼方の恒星のフレアの研究、スーパーフレアが太陽で発生した時の地球への影響などについて、太陽表面の美しい動画や写真をたくさん見せていただきながらお話をしていただきました。遥か彼方の恒星の微かな明るさの変化からフレアを検出する観測手法を初めとする、様々な角度からの最新研究が明らかにしつつある太陽や恒星の本当の姿に驚き、壮大なスケールの宇宙のお話を楽しむことができました。
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太陽の表面は、可視光線、紫外線、X線など異なる波長の光で見ると違って見えます。 |
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太陽の表面でフレアが発生するとプラズマが放出され地球にも影響が及びます。 |
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観測史上最大のフレアでも太陽の明るさの変化はごく僅かであり、太陽型恒星のフレアの検出は難しい。 |
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11年周期で増減する太陽黒点は約300年前にほとんどない時期があり、その時の地球はミニ氷期と言われるくらい寒かった。 |
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参加者の感想 |
黒点は小さいように見えるけど地球よりもすごく大きいことが分かりました。太陽はただ光っているだけではなくて、いろいろな所で爆発が起きていることも分かりました。もし今、キャリントンフレアやスーパーフレアが起きたら、地球規模で停電したり、インターネットが使えなくなったりすることを知って、すごく影響の大きいものだと分かったし、もし起こったら怖いと思いました。いろいろな事に興味を持ってこれから学習していきたいと思いました。(1年・女子)
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私はここまで細かい太陽についての研究が進んでいるんだと感心しました。また、地球が温暖化していることの要因は、二酸化炭素の排出量が増えてしまったことにあると思っていましたが、太陽の黒点の数が増えると温度が上がるという事を今回初めて知りました。いろいろな所から原因を考えるのは面白いと思いました。これからも規模の大きな話も考えていきたいです。(1年・女子)
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天文学というと私たちの生活からかけ離れているイメージでしたが、とても面白く興味がわきました。とくに自分としては黒点が何なのかという事が知れて、今まで「黒点は温度の低い点」としか教えられていなかったとこを知ることができてとてもすっきりしたし、フレアのメカニズムも知れて良かったです。今年9月の太陽フレアの事はニュースで知っていましたが、なぜ通信衛星などが影響を受けるのかという事はニュースでは言わなかったから、学校やニュースでは教えていないような専門的なお話が聞けたことが一番良くて参加して良かったなと思いました。野上さんが最後に言っておられたように、たくさんのこと、分野など身の回りで起こっていることに興味を持ってたくさんのことを知っていければいいなと思いました。改めて知らなかったことを知るのは楽しいなと思える講演でした。とても良かったです。また機会があればこういう専門的な話を聞いてみたいです。(1年・女子)
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話しのスケールが大きく、普段の勉強や日常生活とかけ離れていて難しく感じたが面白いとも思えた。これだけスケールの大きな話でも日常生活に関わってくるようなことを知ることができた。(1年・男子)
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太陽とほぼ同じ恒星をいっぱい観察してデータをいっぱい取るという方法を考えた人はすごいと思います。今までたくさんの人が宇宙について研究をしてもなお、不思議がたくさんある宇宙はおもしろいなと思った。(1年・男子)
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フレアの発生頻度のグラフを見ていると、やっぱり太陽でのスーパーフレアは起こるかもしれないなあと思いました。知らない事実もあって、とくに太陽活動が11年ごとに変化することを考えると、2022年にもしかしたら大きなフレアが起こるかもしれないし、その時私はおそらく大学生で、この分野かは分からないけれど宇宙の勉強をしていて、その瞬間が見れたらいいなと思いました。また、最後の話を聞いて、歴史学や言語学も使って研究している所が、宇宙は大きいなあと実感しました。(2年・女子)
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宇宙にはまだまだ分かっていない問題がたくさんあり、天文学だけでなく生物学などの様々な学問が協力して解明しようとしていることを知れた。なぜ11年ごとに太陽活動が変化するのかをとくに知りたいと思いました。自分の興味のあることだけではなく、いろんなことにチャレンジをして自分の将来に活かしたいと思った。(2年・女子)
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今まで太陽に黒点があるぐらいの知識しかなかったけれども、もし大きな黒点があればすごい大きい爆発が起きて、地球にも大きな影響を与えてしまうと知ってすごくびっくりしました。太陽だけでは観測しきれない事でも、他の恒星を使って観測すれば分かることがたくさん出てくることはすごく面白いなあと思いました。去年の『科学の教室』の系外惑星の話と同様に、宇宙や天体にはまだ分かっていないことが多くてすごく夢のある学問だなと思いました。(2年・女子)
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太陽についていろいろなことがすでに分かっているのに、まだわからないことがたくさんあると聞いて、宇宙は奥が深いと思った。映像や画像をたくさん用いながら、私たちが理解しやすいように話して下さって嬉しかったし、聞いていて楽しかった。宇宙の研究といっても何をしているのか知らなかったので、それも含めて勉強になった。とくに最後に言われた、いろんなことに興味を持って色々な事について学んだほうが良いということが一番心に残った。(2年・女子)
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