人権学習
        多様な人々との対話 ~新しい共生社会を目指して~


4月23日(金)2年生を対象に上記の講演会を行いました。講師は金光敏(キム・クアンミン)氏。大阪市生野区在住の在日コリアン3世である。現在「コリアNGOセンター」事務局長であり教育コーディネーターとしても活躍されている方である。

 氏は、「皆同じ人間だ」という考え方が人に「同じ」であることを強いる、自由のきかない窮屈な社会だとおっしゃられる。「同じ」という言葉を使うとき、人は無意識のうちに「基準」を設けているのだと。それは「多数派」の基準であり、「同じ」という言葉を使うとき、その多数派に合わせることを強制するものだと。例えば、「日本人も在日コリアンも同じやん」と言う時、日本人を基準として考えているのではないか、ということである。
 氏は、在日コリアンの歴史に触れられ、平和な社会の担い手になろうではないかと呼びかけられた。平和とは何か?平和とは「信頼」であると氏は説かれる。
 では「信頼」関係を築くにはどうすればよいのか?大切なのは人と対話する力=コミュニケーション能力である。コミュニケーションとは傷つき傷つけられる関係を丸ごと引き受けることである。現代の若者には、傷つき傷つくことを恐れる「傷つきたくない症候群」の傾向が見られ、このコミュニケーション能力の低下が見られるのではないか。
 他者との信頼関係が築ける人は自立した人間と言える。自立とは困難に直面したとき他者の力を借りて問題を解決する能力である。問題は他者の助けを借りなければ解決できないことが圧倒的に多い。
 コミュニケーション能力を磨くためには、自分とは違う人、価値観の異なる人を探して対話することである。そこでは相手の言っていることをしっかり聴く必要があり聞き上手になる。また、うまく思いが伝わらない経験がコミュニケーション能力の発達に繋がる。多様さを学ぶ一つの対象として、在日コリアンを活用して欲しい。
 自立した市民が信頼関係を構築し平和な社会の担い手となって欲しい。

 という内容でした。

 生徒のみなさんのみならず、人間関係が希薄化する現代にあって、大人自身も深く考えさせられる内容でした。

 「平和の担い手」という人類社会に責任を持とうとする金さんの言葉が重く心に残りました。

 
  <講演の様子>
<生徒の感想から>

○今回の講演は今まで聞いた中で一番自分も入り込んで聴けたし、考え方が違う人の話を聞くのも面白かった。特に印象に残っている言葉は、「コロンブス、バスコダガマは侵略者」というフレーズです。見方を変えると、こうも違うのか、ということを痛感しました。 また、「傷つくのを恐れている」とか「同じには基準がある」とか納得できる言葉が多くて、本当にためになると思いました。

○僕も人と話すのは得意な方ではないので、金さんがおっしゃっていたような「傷つきたくない症候群」の一人なのかも知れないと思いました。でも金さんが言われていたように、他人とのよりよい関係を築くためにも会話は重要だし、これからの社会では生きていけないので、、会話やコミュニケーションを大事にしていきたいです。

○みんな同じではなく、みんな違ってそれを尊重しようということをおっしゃった。確かに日本人はみんなと同じじゃないと非難したりすることが多いように思うし、僕自身も皆と同じようにしようとすることが殆どだ。それぞれの人を尊重するのは大切だと思う。最近は人それぞれを尊重する傾向も日本で出て来ていると思うので、このままいけばいいと思う。

○今まで在日韓国人のことを身近に考えることがなかったので、良い機会になったと思います。人種や歴史の違いだけでなく、個人の違いにも触れ、各々の対話から違いを超えた信頼が生まれる。当たり前のことのようだけど、なかなかできない凄く的を射た講演だと思いました。


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