-文化の力をはぐくむ府の推進事業「京育」−
日本画に挑戦 
峰山高校美術部が文化の力をはぐくむ府の推進事業「京育」の一環で、日本画制作に挑戦しました。
昨年度に引き続き2年目の取組となる本年度は、昨年度の経験を生かしてさらに発展的な表現を目指し、
銀箔等を使った表現も試みました。完成作品は2月に行われた「峰高展」で展示しました。

昨年同様、淺田 規久子氏(久美浜町在住・日本画家)を講師にお招きし、9月から約5ヶ月間という長きに
わたってお世話になりました。線の描き方から構図のとり方、道具の使い方など一つ一つ丁寧に教えて
いただきました。生徒一人一人との対話を大切に、個性を生かした指導をしていただきました。

日本伝統の文化に触れ、日本人の美意識について学ぶことは、生徒にとって感性を高め、表現の幅を広げる
大変貴重な経験となりました。このような経験をさせていただけたこと、深く感謝申し上げます。


開講式

9月18日(土)、淺田先生の山荘アトリエで開講式が行われ、美術部員12名が参加しました。
岩絵の具や膠など、日本画を描くための道具について詳しく説明していただき、生徒は興味津々で話を聞いて
いました。また、土田麦僊や宮田司山の掛け軸を鑑賞しながら、日本画の魅力について教えていただきました。
「本物」の日本画の線の美しさや独特の表現方法など、日本独自の文化を肌で感じることのできる、大変貴重
な時間となりました。

薄茶をいただきました 岩絵の具に興味津々です
土田麦僊の掛け軸を見せていただきました 下絵作りについて教えていただきました
スケッチ

制作は身近なモチーフのスケッチから始まりました。校内の草木や、道端に咲く花、家で採れた野菜等、
魅力を感じるモチーフを探しました。できるだけ一本線で、美しい線でと、一生懸命にスケッチしました。
どうさ引き

岩絵の具を定着させるための下地であるどうさ(膠の水溶液にミョウバンを混ぜたもの)を白麻紙にひきます。
膠の独特のにおいに顔をしかめながらも、ゆっくりと丁寧に作業を進めました。同時進行で、下絵の元となる
スケッチを淺田先生に見ていただき、構図を考えました。
どうさ液を漉します 手本を見せていただきました
ゆっくりと慎重に刷毛を進めます 作品の構図についてアドバイスをいただきます


銀箔貼り

昨年度より発展的な表現を目指す今年度は、銀箔貼りにも挑戦しました。
息を吹きかけただけでひらひらと舞ってしまう銀箔の薄さや、すぐに破れてしまう繊細さに緊張しながら
初めての箔貼りを経験しました。
銀箔についてのお話を伺いました 初めて見る銀箔に興味津々です
慎重に一枚ずつはがします 箔ばさみの扱いに苦労しました
トレース・色出し

構図が決定した人から、白麻紙を張ったパネルに下絵を写していきます。泥絵の具を使ってのトレース
と同時に、自分の使う色を塗ったチップを作る、色出しという作業も行いました。
泥絵の具を使ってのトレース 上手く写っているか気になります
使う色を抜き出します 正方形に切り取ってチップを作ります


美術大学・日本画材店訪問

11月中旬、1日かけて京都精華大学・日本画材専門店「放光堂」・堂本印象美術館堂本印象美術館
を巡りました。

京都精華大学では、芸術学部日本画コース教授 小西通博 先生に日本画の魅力や日本画制作の
喜びと苦しみについてご講義いただきました。プロの生き方から様々なことを学べる、生徒にとって大変
有意義な時間となりました。
また、日本画コースの施設を案内していただき、生徒は大学生の制作スペースや制作途中の作品、
整った設備等に興味津々でした。
日本画材専門店「放光堂」では、自分で作った色のチップを片手に、各々自分の制作に必要な岩絵の具
の色を選びました。岩絵の具自体の色の鮮やかさや美しさ、豊富な色数に圧倒されながらも、昔ながら
の老舗画材店の雰囲気を十分に味わうことができました。
堂本印象美術館では、日本画家「金島桂華の世界」を鑑賞し、独特のフォルムや線の美しさ、彩色の鮮
やかさなど、日本画の魅力を存分に堪能しました。

<京都精華大学にて>
「鳥獣戯画」のレプリカを見せていただきました 小西先生の過去の作品を拝見しました
大学生の制作スペースを見学 鶏舎も案内していただきました


<日本画材点「放光堂」にて>
豊富な色数の岩絵の具 ビンを落とさないよう慎重に扱います
岩絵の具以外にも日本画材が並びます これらが岩絵の具の原料となります
骨書き

先の細い骨書筆を使って、トレースした線を薄墨で丁寧になぞっていきます。生徒は美しい線、生きた線を
描こうと、緊張感を持って丁寧に筆を進めていました。
淺田先生にお手本を見せていただきました 一筆一筆、ゆっくりと慎重に



薄墨

骨書きをした画面に、薄墨を使って陰影をつけていきます。墨をつける筆と水でぼかす筆、2本の筆を器用に
使い分けて描きます。高い集中力を求められる作業の連続に、講座が終わる頃には皆くたくたです。
2本の筆を使いこなすことが求められます やってみると意外と難しい…



胡粉ひき

胡粉と呼ばれる粉を水で溶いたものを画面全体にひきます
はじめに、粉末の胡粉に膠を混ぜて練り、団子状
にします。なかなか上手くまとまらず悪戦苦闘でしたが、みんなで楽しみながら進めることができました。


乳鉢で胡粉をすります 膠を入れて団子状に練ります
さらに水で溶きます パネルにひくときはゴミが入らないよう注意して



泥絵の具による彩色

はじめは泥絵の具の黄土を使って、全体に調子をつけていきます。その後、たくさんの色を使って彩色します。
色が入ることで画面が一気に華やかになります。


指を使って泥絵の具を溶きます みんな集中して取り組んでいます

一人一人個別に指導していただきます 初めて使う泥絵の具に緊張しながら筆を進めます



岩絵の具による彩色

たくさんの行程を経て、待ちに待った岩絵の具での彩色です。岩絵の具独特の鮮やかな色味に感動しながら
彩色を進め、重色の楽しさを存分に味わうことができました。筆を重ねるごとに豊かな味わいが生まれ、完成度
が増していきます。

丁寧な個別指導のもと、少しずつ制作が進みます。
だんだんと画面が色鮮やかになっていきます。完成が楽しみです。
「峰高展」での展示

9月から5ヶ月間にわたって取り組んできた日本画の制作もいよいよ最終段階を迎え、2月19日(土)・20日(日)
に行われた「峰高展」で完成作品を展示しました。より多くの方々に日本画や日本の文化に親しんでいただこうと、
作品とともに岩絵の具や膠などの画材、制作の行程をまとめたパネルを展示しました。生徒一人一人が一生懸命
に取り組んだ力作が並び、保護者の皆様、地域の皆様に大変好評をいただきました。日本画の色の美しさを味わ
っていただけたのではないでしょうか。
また、講師の淺田 規久子氏に合評会を開いていただき、一作品ずつ丁寧に講評していただきました。日本画の
制作を振り返るとともに、今後の制作に向けてのアドバイスをいただき、生徒にとって大変有意義な時間となりました。


「冬の桜」 「白菜と茗荷」 「光」
日本画の道具や制作行程を展示しました 御高覧いただいた方々に大変好評でした
生徒も色の美しさに見入っていました 淺田先生をお迎えしての合評会の様子