「1年目を振り返って」
                          京丹後市立久美浜小学校 教諭 増田 孝志
 初任者として、とにかく謙虚に自分から学ぼうとする姿勢を大切にしてきました。分からないことばかりでしたが、校内の先生方に相談できたことが自分の実践(学級経営・授業づくり)につながったのではないかと思っています。
 学級経営を進めていく上で大切にしてきたことは、子どもたちと遊ぶ時間を少しでも多く作ったことです。その中で、もっと一人一人としっかり関わらなければならないという課題が見え、個々での関わりだけでなく、全体との関わりの中で個々を大切にしていかなければならないことを学びました。

  また、子どもたちの前では素直でいることを大切にしてきました。うれしいときはうれしいと伝え、嫌な思いをしたときは嫌だと素直に伝えてきました。そういう姿勢が子どもたちとの信頼関係(お互いに何でも言える関係)につながったのではないかと思っています。
 授業づくりでは、教材研究を丁寧にし、板書計画や発問を考え、授業に臨むことができました。また、初任者指導の先生をはじめ、校内の先生方とともに教材研究ができたことがとても授業づくりの参考になりました。その中で、より多くの子どもたちが発言できるように、学習過程を考えながら授業づくりをすることを大切にしてきました。準備をすればするほど、子どもたちからの反応はたくさん返ってきます。そうしたことが授業づくり・教材研究の楽しさだと感じました。また、教室環境整備に心がけ、特に国語科の学習では、学習したことをタイムリーに教室に掲示することにより、いつでも学習したことが振り返られるように努めてきました。そうした自分のこだわりが、子どもたちの学習意欲につながったらと思っています。
 わたしは、今後も子どもたちと素直に、正直に関わり、授業を通して子どもたちを高められる実践力を身に付けたいと思います。
 

「2年目を迎えて       
                      舞鶴市立白糸中学校 教諭 野口 菜々代

 中学校で英語教師として、2年目を迎えることができました。なかなか英語に興味が持てない生徒や勉強することに意欲的になれない生徒たちをいかに授業に参加させるか、たくさん悩み、失敗をしながら1年目を過ごしました。その中で「教えること」の本当の難しさを痛感しました。授業実践を通して、自らの授業力、教育力を向上させることはもちろんですが、子どもたちが精神的に安定し、穏やかな状態で授業に参加することが大切だということを実感しました。できるだけ授業開始の5分前には教室に行き、子ども達と一緒に過ごすようにしました。子どもと接する時間を持ち、様子の気になる子どもには授業中にもできるだけ声をかけるようにしました。クラブ活動、行事には積極的に参加し、子どもと同じ経験をするようにしました。当たり前のことですが、実際は難しいものがありました。しかし、白糸中学校では職員全体が子どもと共に過ごす時間を大切にする意識を持って行動する学校だったので、私自身も自然にそれができるようになったのだと思います。子どもに寄り添い、共に考え、子どもの心を安定させることが子どもの学びをさらに深いものにすることにつながるということを実感することができました。
 また私はこの1年間で子ども達の喜びの瞬間にたくさん立ち会うことができました。何度も何度も繰り返し単語の練習をし、「先生、テストでこの単語書けたよ!」と誇らしげに報告に来てくれた子どもがいました。
 
 
 定期テストを返却し、解答を解説しているときに「あぁ、そうか!分かった。」と自分の解答の間違いに気づいた子どもがいました。子ども達の「できた」「分かった」が生まれたとき、それは子ども達の喜びの瞬間になります。それは同時に教師として非常に大きな喜びを感じる瞬間でした。悪戦苦闘しながら、ひたむきに学習に取り組む子ども達は、私の大きな原動力となっています。
 私は子ども達に寄り添い、心のつながりを大切にしていきたいと思います。そして、子ども達の喜びの瞬間にたくさん出会えるよう、自分自身を磨き、努力していきたいと思っています。

「教師志望の皆さまへ」      
                  
京都府立福知山高等学校  教諭  山室 浩二

 教員志望の皆さま、はじめまして。私は採用されて2年目の地歴公民科の教員です。教員を志望されている皆様の、その「熱い思い」を形にする工夫と、教員になってからも役立つような私の取り組みをまとめてみました。
  まず、採用試験の準備についてです。志望動機の明確化、一般教養、専門教科、面接、小論文対策が必要です。このなかでも志望動機が最も大切です。動機を言葉にする努力をして下さい。熱い思いを自分の言葉で凝縮させる地道な作業を繰り返して下さい。そうすれば、「ずれない自分」を見つけることができます。専門教科の指導力をつけるためには、講師経験を積んで下さい。私の場合1年のみの講師経験でしたが、週21コマ、高校と塾で教壇に立っていました。そうすれば、専門的な知識が定着します。面接と小論文については、「今の自分」を客観的に把握できているのかが問われます。自分では伝わっていると思い込んでいる表現が、とても稚拙である場合も多々あります。私は小論文の指導者に恵まれ、面接も私立校の採用試験を利用して、毎月練習しました。
 面接では、伝えたいことが伝えられず何度も後悔しました。後悔しないためには、短時間で正確に情報を伝達する能力を磨いていくしかありません。他の受験者の良い点、悪い点も参考になります。また、府立学校の教育活動をよく調べ、活動に貢献するために「したいこと」ではなく、「できること」を増やして下さい。
 教員1年目で気づいたことは多々ありますが、「何のために教育しているのか」という問いに、一層確信のもてる答えを獲得できたことが、最大の収穫でした。「生徒の生きる力を育成するため」というのがその答えです。「生きる力」の重要性が実感できたのは、特に初任者研修の一環として、中丹養護学校での特別支援教育を参観したときです。本来、教育とは、生徒一人一人にかかわるのであるから、すべて特別な支援教育であるということを学びました。自信や生きがいをもって生きることがすべての土台であり、自信や生きがいがあれば、その生徒は少しずつでも自ら努力し、成長していけるはずです。土台を大切にして、その上で、生徒に可能性を提示したり、自ら可能性を切り拓く力を育成したりするのが、教育であるはずです。
 最後に、教員志望のみなさまは、自らの希望進路を実現するために、毎日努力されていることだと思います。「自らの進路希望の実現なくしては、生徒の進路希望の実現なし」という気概で望んで下さい。教員採用試験に合格するための経験は、生徒の進路指導の際にも大いに役立ちます。モチベーションを維持するためには、NHKの「プロフェッショナル」という番組がおすすめです。様々な世界のプロの流儀を知ることで、挫折を乗り越えた経験や世界の広がりを追体験できます。とにかく、今できることをやってみて下さい。私の教職員生活は充実感で一杯です。

「特別支援学校教諭になって」                 
                      京都府立舞鶴養護学校 教諭  大西 千暁

舞鶴養護学校小学部の教諭となって、一年が過ぎました。子どもと共に私自身も教諭として大きく成長できた一年でした。
 「一人一人の教育的ニーズに応じた教育」の魅力に惹かれて目指した特別支援学校教諭の道。
 当初は子どもの実態把握や課題設定を的確に行うことができず、何でもすぐに支援をしてしまいがちでした。しかし、先輩の先生方から、子どもが卒業して社会に出た時に、自分でできることを増やすための支援でなければならないことを教えられました。そこで、課題を細かく分析してスモールステップで指導したり、言葉の指示だけでなく、視覚に働きかける支援グッズを作成したりして、子どもが自分でできたという体験を積ませるようにしました。また、できた時には、大いに誉めることで、子どもの目が輝き、自信に満ちた表情が見られるようになりました。

 保護者とも、共に子どもの成長の喜びを分かち合うことができ、何物にも代え難い、教員としてのやりがいや充実感を感じることができました。
 これからも、子どもの可能性を引き出し、伸ばせる教員を目指し、努力を重ねていきます。
「2年目を迎えて」             
                       京丹後市立大宮第二小学校 養護教諭  井上 紗智

 「先生の夢は何?」と子ども達のに聞かれることがあります。1年と少し前まで、私の夢は「保健室の先生」になることでした。その夢が現実となり早くも1年が経ちました。1年目は不安や焦りの中とにかく無我夢中の毎日で、「先生」と呼ばれることに戸惑いました。しかし、そんな私を子ども達が「第二小学校の保健室の先生」へと変えてくれました。今こうして「先生」として2年目を迎えることができたのは、何よりも子ども達のおかげだと思っています。新しいことを学ぶ喜び、苦手なことでも時には泣きながらでもやり遂げようとする姿勢、きちんと謝れることの大切さ、ありがとうという言葉の優しさ、また、一人一人が本当にかけがえのない存在であるということ・・・等々、忘れてはいけないものを、子ども達は改めて気付かせてくれました。子ども達の素直さと日々成長していく姿にはいつも感動させられます。
 養護教諭になるという夢が叶い2年目を迎えた私は、次は「私らしい養護教諭」になることを目指して、どんな感動に巡り合えるかを楽しみに、子ども達と共に成長していきたいと思います。
「2年目を迎えて」             
                          綾部市立豊里小学校 栄養教諭  荒木 信子
 「先生!今日の給食おいしかったで!」学校で聞く、一番嬉しい言葉です。子どもたちの笑顔に囲まれて、楽しい日々を送っています。
  栄養教諭になって2年目になりました。栄養のことだけでなく、「食べる」ことから、食べ物の命の大切さ、感謝の心、自分の命の大切さ、そしてごみの問題など、たくさんのことに思いをめぐらせることができる子どもを育てたい。そんな思いからこの仕事に就きました。
  振り返ると、1年目は、自分がどのような働きかけをしていけばいいか全く分からず、悩んでばかりでした。“「食育」は、栄養教諭である私が、一人で進めていかなければならないのだ。”そんなプレッシャーで押しつぶされそうでした。そんな中でも、初めて臨んだ授業では、たくさんの先生方のご指導のおかげで、多くのものを得ることができました。専門性の活かし方が、少し分かったように思います。
  食生活に関わることは、本来なら家庭が学びの場です。また、結果が表れるのに時間がかかるように思います。それでも学校で伝えられることは、たくさんあります。給食をただ食べるだけでなく、教科の学習と関連させたり、行事食を取り入れたりして、意味のあるものになるように、工夫の毎日です。

一人で取り組んでいたそのことを、2年目からは担任の先生方に伝え、学校全体で広げていけるようにしていこうと思います。
  また、給食管理業務を基本にしつつ、食に関する指導をもっと行っていけるようにすることが課題です。その為に、学校や、地域の方々に様々な情報を提供していこうと思っています。
 食べることは、毎日のことです。食べ物が、本来の自分を形作ります。その意味の大きさを、子どもたちに気付いてもらえるよう、これからも子どもたちと向き合っていこうと思っています。ハツラツとした体と、豊かな心をもつ子どもの支えとなる存在を目指して!