2年生航海船舶コース
5月集中実習


  5月7日(木)〜11日(月)の5日間、実習船「みずなぎ」に乗船して航海実習を行いました。
  今回の乗船実習は、2年生にとって初めての本格的な乗船実習であり、また、日本海区水産研究所(日水研)の資源調査も行いました。
  日程や内容をログブック形式で紹介します。

5月7日(木)雨 やや波あり
08時56分 本校桟橋出港   航海日和にも関わらず、初めての本格的な乗船実習ということもあり、船酔いする生徒が続出する。しかし、航海当直等の各種作業を放棄する生徒はいなかった。
12時59分 非常集合総練   緊急時に備え、船体離脱を考慮した船上での避難訓練を実施した。全員集合までに要した時間は1分35秒、大変優秀なタイムで、これなら逃げ遅れる者はいない。
14時23分 操舵システムの故障   予想できない事態に一時騒然としたが、船長以下乗組員の冷静適確な対応により、非常操舵(直接、人力で舵を操作する)。

5月8日(金)満天雲のち晴れ曇り 海穏やか
00時03分 システム復旧   舞鶴から修理に駆けつけてくれた業者により、システムが復旧。
00時21分 三国港出港   延々と続く防波堤を並走し、新潟港に入港する。入港後は、待ちわびていた日水研の研究員とともに調査機材を搬入する。その後、第1回の下船テスト(航海計器の名称)。1時間程度であったが、合格者は久しぶりの携帯電話とともに(実習中は預かり)自由時間と陸の感触を満喫する。数分の帰船遅れ者が罰直となる。

5月9日(土)晴れ曇り 海穏やか
05時30分 起床・朝食   船での1日は早く、土日、祝祭日も関係なし。この感覚を身に付けるのも船員になるための第一歩。
05時55分 新潟港出港   あっという間の新潟寄港。50分後には、観測地点に到着する。この日は観測10地点、表面水温測定採水・STDと1年生で経験した内容が実践で生きる。さらにプランクトンネット(各種ノルパックネット)で動植物プランクトンや魚の卵を採取し、ホルマリンで固定した。
18時00分 柏崎沖錨泊   長い1日が終わろうとしているが、この日は翌朝まで錨泊ワッチが入る。夜間、船長からの特別講義も入る。(訓練記録簿)

5月10日(日)晴れ曇り ベタ凪
05時56分 アンカーアップ   アンカーを巻き上げる音で、眠気も覚める。
08時32分 観測開始   本日は、4地点だが新たにボンゴネット(稚魚採集)の項目が加わる。残念ながら、今回の調査対象であるマイワシの稚仔魚の姿は見あたらない。本当に「幻の魚」になりつつある。
11時50分 富山湾
水深1,000m
  急激に水深が深くなることで有名な富山湾にて、発泡スチロール容器を水深300mと800mの深海に沈める実験をした。800mの水深には、ペットボトルに水を入れ一緒に沈めると、日本海固有水に冷やされ水圧が加わった仮想深層水の出来上がり。
17時00分 新湊入港   大掃除を実施しながら新湊港に向かう。停泊場所のおもてには富山県の実習船「雄山丸」、向かい側には日本を代表する帆船「海王丸」(展示係留)が係留されていた。
20時00分 下船テスト   第2回下船テスト、難易度は定期考査レベル。このテストで、65%以上得点しなければ下船が許されない。1回目で合格したのは2名、残りは再テストで合格するまで勉強する。深夜未明に全員合格する。また同時に、停泊当直が実施される。

5月11日(月)晴れ曇り
05時00分 起床・点呼   昨夜の下船テストや停泊当直の疲れもあったものの、3日目の反省を克服し、全員が5分前に集合完了し整列できた。
05時55分 本船見送り   「みずなぎ」の係船索を解らんし、実習船でのすべてのメニューを終えた。実習船はこのあとも19日まで連続で観測が続く。
06時10分 バス移動   陸路にて本校に向かう。バス内では、溶けるように寝る姿が目立つ。途中、コンブ館や高浜原発取水口等によって見聞を深める。
13時45分 本校到着   両副校長に出迎えしていただく。二谷副校長先生より、「この実習の成果を今後の学校生活に活かしてください。」と挨拶を受ける。
14時00分 解散   全員が元気で無事に初めての集中実習を終えることができた。