海の安全祈念日
2月10日は、「海の安全記念日」です。
21世紀最初の年、2001年2月10日、この日は私たちにとって決して忘れる事のできない日です。
愛媛県宇和島水産高等学校の実習船「えひめ丸」が、ハワイ沖で緊急浮上した米国海軍原子力潜水艦により衝突され、実習生・指導教官・乗組員あわせて9名の方々とともに海底深く沈んでしまうという極めて悲しい事故があった日だからです。
実習船には何一つ落ち度はありませんでしたが、9名の尊い命が一瞬のうちに奪われてしまいました。どれほど多くの方々が「時間と空間の歩みを戻してほしい。それが無理であれば、全員が無事救出されますように」と祈ったことでしょうか。しかし、厳しい現実はその祈りをかなえてはくれませんでした。
全国水産高等学校長協会では、この悲しい事故を永遠に忘れず、亡くなられた方9名の方々の海や水産への思いや志を継承し、水産・海洋教育の一層の発展と実習船をはじめ船舶の安全を祈る取組として、2月10日を「海の安全祈念日」と定めています。
また、昨年10月には鳥取県境港港の沖合、境水道入口で、島根県立隠岐水産高等学校の実習船「わかしまね」と中型巻き網漁船とが衝突する事故も発生しています。幸い、この事故での犠牲者はありませんでしたが、安全の確保が求められながらも、ちょっとした不注意から、いつ私たちがその当事者になるか、わからないことも認識しなければなりません。
私たちは、同じ水産・海洋系高等学校の生徒として、「えひめ丸」事故で犠牲となった方々を追悼するとともに、命の尊さや海上での実習の安全についての認識を新たにするために、2月6日(金)(3年生の登校日に合わせて)、実習船「みずなぎ」の汽笛を吹鳴し、全校生徒・教職員で黙祷を行いました。