平成16年度中学校学力診断テスト結果概要

府内中学生の基礎学力は定着

1 実  施  日  平成16年11月4日(木)

2 実 施 対 象  府内全中学校(99校) 第2学年

国 語 9,818人
数 学 9,820人
英 語 9,825人

3 学力診断テストの目的
   学力の充実・向上を図るため、生徒の学力を把握・分析し、指導上の課題を明らかにするとともに、学校における個に応じたきめ細かな指導方法の工夫や改善の充実に役立てる。

4 問題内容等
   問題内容は、学習指導要領に示す目標・内容に沿ったものとして、出題範囲は、第1学年 及び第2学年1学期までとしている。
 また、個々の生徒の解答状況から学習課題を診断的に分析できる問題とし、国語と英語ではヒ アリングの問題も出題している。

5 分析方法等
   各学校においては、具体的かつ客観的な判断基準である設定正答率等を活用して、テスト結果を分析する。
 なお、設定正答率をは、学習指導要領に示された内容について、標準的な時間数をかけ、学習指導要領に基 づき想定された学習が行われた場合、どの程度の正答率となるかを示したものである。


6 結果概要
国 語

(単位:%)
       
  領域・事項 出題数正答率 設定正答率
基礎的・基本的な問題話すこと・聞くこと2問 80.172.5
読むこと 4問 84.276.3
言語事項 7問 82.275.7
全体 13問 82.575.4
応用的・総合的な問題話すこと・聞くこと1問 56.960.0
書くこと 3問 73.970.0
読むこと 6問 62.367.5
言語事項 2問 56.460.0
全体 12問 63.866.3
 基礎的・基本的な問題では、出題したすべての領域・事項の問題で80%を超える正答率 で設定正答率を上回り、基礎学力は着実に定着していると考えられる。
 応用的・総合的な問題では、領域「読むこと」で、文章全体の展開に即して内容把握や 要約すること、文章の構成や展開を考えることに課題が見られる。


数 学

(単位:%)
       
  領域・事項 出題数正答率 設定正答率
基礎的・基本的な問題数と式10問 73.373.0
図形 1問 74.060.0
数量関係 3問 71.570.0
全体 14問 73.071.4
応用的・総合的な問題数と式4問 47.761.3
図形 3問 39.953.3
数量関係 4問 38.353.8
全体 11問 42.256.4
 基礎的・基本的な問題では、すべての領域の問題で70%を超える正答率で設定正答率を 上回り、基礎学力は着実に定着していると考えられる。
 応用的・総合的な問題では、領域「数量関係」で比例をグラフで表すこと、領域「図形」 で空間における直線の位置関係が分かること、領域「数と式」で文字を用いて関係を式で 表すことに課題が見られる。 


英 語

(単位:%)
       
  領域・事項 出題数正答率 設定正答率
基礎的・基本的な問題聞くこと5問 72.771.0
読むこと 6問 72.167.5
書くこと 1問 67.960.0
全体 12問 72.068.3
応用的・総合的な問題聞くこと5問 34.155.0
読むこと 8問 49.460.6
書くこと 5問 42.751.0
全体 18問 43.356.4
 基礎的・基本的な問題では、出題したすべての領域の問題で正答率が設定正答率を上回 り、基礎学力は着実に定着していると考えられる。
 応用的・総合的な問題では、領域「聞くこと」で一連の会話文を聞いて全体像を理解し た上で、得た情報を総合して考えること、領域「読むこと」で書かれている一つ一つの文 の意味理解と全体の概要把握を通して読みとること、領域「書くこと」で正確に文章に表 すことで課題が見られる。 


7 授業改善のポイント
(1) 国語
【話すこと・聞くこと】 
 部分的な理解にとどまらず、全体を通して、伝えようとしていることを理解させるこ とが大切である。

【書くこと】
 「書きたい」「伝えたい」という気持ちを起こさせる題材を工夫し、実際に自分の気持 ちや考えを書かせ、他者と交流することで、文字言語による伝え合う喜びを味わわせる ような指導を工夫する。 

【読むこと】
 考える過程を大事にし、自分の力で文章を読み解いていく力を付けさせることが大切 である。

【言語事項】
 小学校の学習内容を踏まえ、日常生活において「生きた言葉」となるような指導を工 夫する。

(2) 数学
【数と式】
 数や文字式の計算においては、形式的な解法にとどまらず,その背景にある基本的な 概念を確実に理解させるように工夫する。
 文字式に表現したり文字式の意味を読みとったりする場面を多く設定するとともに、 特に方程式では、問題を解くだけでなく、振りかえって見ることの指導が大切である。

【図 形】
 観察、操作や実験を通して、線対称の学習では図形をかいたり、実際に紙を折ったり することによって、図形に対する洞察する力を伸ばすことが大切である。

【数量関係】
 比例・反比例の学習では、日常の中での具体的なものを取り上げるなどして、その関 係を見出させる指導が大切である。

(3) 英語
【聞くこと】
 自然な口調で話された英語を聞いて、単語レベルの聞き取りにとどまらず、一定のま とまりで理解をし、イメージ化することが大切である。
 自然な口調で話されたスピードに対して生徒が対応できるように練習回数を多くする ことが大切である。

【読むこと】
 一文ごとの意味理解と全体の概要把握が大切である。
 まとまった分量の英文を短時間で読んでイメージ化させる指導を工夫する。

【書くこと】
 英語を使って意欲的に自己表現をする機会を設け、正確に書けるよう適宜添削等の指 導を行うことが大切である。

8 取組の充実
 子どものための京都式少人数教育によるきめ細かな指導の徹底
 特に平成17年度新規の「全中学1年生英数少人数教育」により、全中学校第1学年の英 語、数学で30人を超えるすべての学級において、生徒の状況に応じて、少人数授業やティ ームティーチングの少人数教育を実施できるよう教員を配置
京都夢・未来校の指定による授業改善の推進
教員の資質向上のための研修内容の充実

9 その他
(1) 学力充実講座(総合教育センター主催)の実施(全中学校対象) 2月22日・24日
(2) 教育局別学力向上(充実)対策会議の開催           年間4回〜8回