4年算数

 ◎ 総合的な正答率は、昨年度よりもやや下降したものの、過去5年間の経年比較をすると、上昇・横這
  いの結果である。

 ○ 領域別では、4領域中3領域で昨年度並みかやや伸びがあった。

 ○ 「量と測定」領域は、昨年度78.6%から71.4%に下がった。

 ○ 観点別で見ると、「数学的な考え方」は、昨年度72.2%から66.0%に下がったが、「表現・処理」は
  昨年度並み、「知識・理解」は80.1%から83.8%にやや上昇した。

 ○ 問題別に見ると、昨年度並みもしくは伸びの見られた問題が25問中19問あり、その内3ポイント以上
  の伸びのあった問題が8問あった。

 ○ 昨年度よりも正答率が下がった6問については、「数学的な考え方」と「表現・処理」に集中する傾
  向が見られる。

授業改善のポイント
・教科書には、「長いすの問題」「物を運ぶ問題」「本立ての問題」等があるが、それぞれについて場面理解
 を促す工夫をした上で、余りをどう処理するかまで考えさせることが大切である。
 また、類似の問題作りも有効である。

・数理的な処理のよさに気づかせるために大切にしたい教材である。「べつべつに」解く方法と「まとまりを
 考えて」解く方法を、それぞれ数式に対応させて理解することが大切で、算数的活動を取り入れるなど、授
 業の工夫が必要である。

・「ずつ」や「同じように」など、除法の演算決定で必要な言葉を確実に押さえた指導が必要である。問題作
 りの学習だけでなく、不備のある部分を見つけて補う活動を取り入れるなどの工夫が考えられる。

・時刻を目盛った数直線を使って、時間を考えるなど、自分なりの時間の求め方になれるところまで指導がで
 きるように、指導方法や内容を検討することが必要である。

・生活の中でデジタル表示が増えてきているが、秤の目盛りを読み取る力も大切である。数直線に置き換えて
 読み取るなどの工夫とともに、楽しく練習できる工夫と時間の設定が必要である。

・先のとがった鉛筆を使うことや、目盛りを読むときの目の位置、作図後にもう一度測定するなど、正確な図
 形をかくことの大切さを意識させる工夫が必要である。


4年算数 問題別 領域・観点別設定正答率、正答率一覧表
番号 領域 観点 問 題 内 容 設定正答率(%) 正答率(%)
数と計算 知識・理解 大きな数の記数法(万の位) 70 81.2
数と計算 知識・理解 十進数の表し方 75 81.3
数と計算 表現・処理 3位数−3位数 80 85.1
量と測定 知識・理解 かさの単位(lとml) 65 59.2
数と計算 考え方 筆算の考え方 60 61.1
数量関係 知識・理解 棒グラフの読み方 90 92.9
数と計算 表現・処理 除法の計算 90 96.6
数と計算 考え方 万の単位(数直線上の位置) 90 88.8
数と計算 知識・理解 2位数×2位数の筆算 80 88.0
10 数と計算 表現・処理 3位数+3位数 90 93.8
11 数量関係 考え方 棒グラフのよみとり 80 88.5
12 量と測定 考え方 時間の求め方 60 56.1
13 図形 表現・処理 直角三角形の作図 80 73.9
14 数量関係 表現・処理 資料の整理 90 92.3
15 数と計算 表現・処理 3位数×1位数 85 90.0
16 数と計算 考え方 余りのある除法と乗法との関係 60 36.5
17 図形 知識・理解 長方形の弁別 90 93.0
18 量と測定 知識・理解 長さの単位(km) 90 84.4
19 数と計算 考え方 除法を用いる場面 60 53.9
20 図形 考え方 はこづくり 90 96.3
21 量と測定 表現・処理 重さの測定(目盛りのよみ方) 80 76.1
22 数量関係 表現・処理 表づくり 80 86.0
23 数と計算 考え方 乗法の計算の仕方 60 52.0
24 図形 知識・理解 箱の形の構成要素 85 90.7
25 量と測定 表現・処理 長さの単位(kmとm) 80 81.2
区      分 設定正答率(%) 正答率(%)
領域別 数と計算 75.0 71.4
量と測定 75.0 71.4
図形 86.3 90.7
数量関係 85.0 88.6
観点別 数学的な考え方 70.0 66.0
数学的な表現・処理 83.9 86.1
数量、図形などについての知識・理解 80.6 83.8
正  答  率 78.4 78.9