「まなび教育推進プラン(中間案)」に係るパブリック
コメントの要旨及びこれに対する府の考え方

【京都式少人数教育】
項目 意見の要旨 府の考え方
1 少人数高学
 年の専科指導
 について
 
・ 質の高い授業を子どもたちに提供
 するためにも積極的に推進をお願い
 したい。子どもの意欲の向上につな
 がると思う。

・ 学習意欲とは、学習を進めるに当たっ
 て内容をよく分かりたい、もっと深めた
 いなどと目的に向けて行動を起こそうと
 する心の状態をいいます。児童生徒の学
 習指導を進めるに当たっては、学習しよ
 うとするこの意欲を育て、より高めるこ
 とが課題になり、学習に対する達成感を
 味わわせたり、教師からの適切な助言を
 するなどの内発、外発両面の動機付けを
 どのように工夫するかが重要で、質の高
 い授業の創造とともに大きな意味を持っ
 てくるものと考えています。
・ 小学校と中学校の間にはギャップ
 がありすぎるので、小学校から専科
 制度を取り入れるのは良いと思う。
・ 中学校では学習内容難しくなるととも
 に、教科担任制になることなどから、生
 徒は小・中学校間でギャップがあると感
 じています。この小・中学校間の接続を
 円滑にする方法として。小学校の高学年
 での専科指導を推進していきたいと考え
 ています。
・ 理科はとても大切です。実験で得
 た驚き、感動は今も心に残っていま
 す。自然の不思議さを子ども達に伝
 える先生を期待します。
・ 理科指導の目標は、科学的な見方や考
 え方を養うことにあり、その出発点は、
 実験での驚きや自然の不思議を解明しよ
 うとするところにあります。そのような
 観点から、府総合教育センターにおいて
 は、理科の実験を主体とした講座を開講
 し、教員の資質向上に努 めています。
・ 音楽、図工等の教科について、専
 門の加配教員を配置し、児童生徒の
 情操面の育成を図り、「心の教育」
 の推進を図ることを望む。
・ 感性や情操を育てるのに音楽や図
 画工作は教える側は専門家であるべ
 きだ。ぜひ専科制にして、子どもた
 ちに美的感性や情操を培って欲し
 い。
・ 専科指導については、その意義や実施
 の方法等を児童の発達段階等を踏まえる
 中で多面的に考察して実施しなければな
 らないと考えています。特に、小学校高
 学年では、自我の一層の確立とともに、
 児童一人一人の教科等に対する興味や関
 心に、一定の傾向が出てきますので、専
 科指導を推進することにより、技能の向
 上を図るとともに、情操や感性を磨く授
 業の展開に努めていきたいと考えていま
 す。
・ 専科には賛成だが、実技を伴う教
 科においてこそ、子どもの意欲を引
 き出せる面があるので、その指導技
 術や実践力を担任も身に付けていく
 ことが学級経営の上からも大切では
 ないか。
・ 専科指導を実施することにより、担任
 も指導力が向上するよう、担任も指導計
 画の作成等に協働し、ティームティーチ
 ングを取り入れるなどの工夫をしていき
 たいと考えています。
・ 中学校からの教員派遣も含め、小
 中連携の強化を望む。
・ 現在も、小中連携として、中学校の教
 員が小学校において授業を行っています
 が、今後は、実験や実技を伴う教科にお
 いて充実していきたいと考えています。
2 中学校1年
 生における英
 語、数学の少
 人数教育充実
 について
・ 英語の少人数授業は賛成です。英
 語で発音するチャンスも増えますし
 よいコミュニケーションの練習にも
 なります。
・ 英語については、中学校から始まる教
 科であることに加え、教科の特性に対応
 する点でも、少人数授業は有効であると
 考えています。すなわち、言語教育の入
 門期における音声重視の指導に十分応え
 られる体制をつくること、つまり、発音
 やリズム、抑揚などその言語に特有の音
 に慣れ、実際に何回も練習できる環境を
 創り出す必要があります。少人数グルー
 プで何度も自ら発音したり、簡単な文章
 などがうまく話せるようになるための練
 習をこの時期に十分行い、言語の基本で
 ある音声に慣れ親しむことができるよう
 に取り組 んでいきたい考えています。
  また、数学については、どの段階で生
 徒がつまずいているのかを発見しやすい
 教科でもありますので、コース等を設け
 て指導できるよう充実していきたいと考
 えています。
・ 外国語教育は少人数で行われるべ
 きです。特に中1、新しい教科の最
 初の段階で正しい発音等、きっちり
 指導していただきたい。
・ 英語は特に中学に入って初めて習
 う教科、また、数学は、小学校から
 の積み重ねの教科ですので、ぜひ少
 人数でしていただきたい。
・ 今までは生徒指導面からの小中連
 携が推進されていたように感じるが
 学習カリキュラムの面から小中学校
 間で大きな段差を作らないために中
 1の少人数授業を充実させようとい
 うこのプランに強く期待する。
・ 数学の中学校1年生からの少人数
 授業は当然大切だと思います。1年
 生からしっかりやってほしいです。
 2、3年生からやっても、もう差が
 ついてやる気を取り戻すのにたいへ
 んですから。
・ 数学については、既に小学校の段階で
 つまずいている生徒もいることから、中
 学校における習熟の程度に応じた指導等
 を通して小学校時の基礎・基本を振り返
 り、基礎学力の定着を図りたいと考えて
 います。
・ 英語の指導で1年生に焦点を当て
 ているのはいいことだが、先生の研
 修がもっと必要ではないか。
・ 教員の資質向上については、今後とも
 京都府総合教育センター等での研修の充
 実に向けて取り組んでいきたいと考えて
 います。
・ 少人数だけが子どもを伸ばす教育
 の中心的な手法ではない。多人数で
 も子どもの教育は成り立つし、その
 方が向いている子どももいるという
 ことを理解すべきだ。
・ まなび教育推進プランでは、基本的に
 小学校3年以上においては、学校や児童
 生徒の実態に応じて、指導方法や指導体
 制を選択して実施することとしていま
 す。今後とも、児童生徒の学力状況等に
 十分考慮しながら、より適切な指導方法
 等が工夫できるように取り組んでいきた
 いと考えています 
3 低学年指導
 充実事業につ
 いて
・ 小学校低学年において、学級を2
 人の先生で指導する柔軟な指導体制
 は画期的なことだ。2人の体制でき
 め細かに児童をみることによって、
 学び方の基礎を身につける大切な時
 期に指導が行き届くことは、良いこ
 とだ。
・ 小学校に入学したばかりの児童は、ま
 だ十分に生活習慣や学習習慣が身に付い
 ていない状況が見られることから、早く
 これらの習慣が定着するように、2人の
 先生による指導に取り組んでいます。2
 人の先生が、計画段階−実際の指導段階
 −反省の各段階において協働しながら、
 児童の生活・学習両面の多様な状況に対
 応できるプログラムを蓄積していくこと
 により、一層きめ細かな指導の充実を図
 っていきたいと考えていす。

・小学校に入学したばかりの子どもた
 ちがスムーズに学校生活がスタート
 できるように、低学年の複数での指
 導体制をさらに充実させてほしい。
・ 1、2年生を2人の先生で教るの
 は万が一の子どもの安全のためにも
 必要だ。
・ 御指摘の点も踏まえ、今後とも、児童
 の実態に応じた指導体制を工夫していき
 たいと考えています。  
4 京の子ども
 ・少人数教育
 推進事業につ
 いて
・ 習熟度別少人数授業できめ細かな
 個に応じた指導ができる。基礎学力
 診断テストの結果からも成果が見ら
 れる。少人数授業の充実は学力の向
 上に確実に結びついている。
・ 習熟の程度に応じた指導に関しては、
 児童生徒に学習のコースの選択をさせた
 り、学習の理解度に応じて適宜コースを
 変更するなど、効果を確かめながらより
 一層きめ細かな指導に努めていきたいと
 考えています。
・ 確かな学力の定着のために、市町
 村の実態に応じて少人数の指導方法
 を選択できるというのが魅力だ。
・ 京都式少人数教育は全国の中でも
 より進んだ取組であり、二人の子ど
 もが少人数授業、少人数学級の中で
 生き生きと学んでいることからもさ
 らに推進してもらいたい。
・ 市町村教育委員会が、学校や児童生徒
 の状況に応じて、指導体制や指導方法を
 選択できることとしていますが、具体的
 な実践方法を校内で十分研究していくこ
 とが大切であり、より一層授業の質が高
 まるように努めていきたいと考えていま
 す。
・ 柔軟な指導体制で児童の学力向上
 に取り組めることは、学校の実情に
 応じた一人一人を大切にした指導が
 できる。
・ 少人数学級は悪くはないのですが
 これが万能だと考えている人もいる
 ようだ。でも、力量のない先生がい
 くら少ない人数で教えても成果は上
 がらない。そういう場合、ティーム
 ティーチングなどで互いに補い合う
 ことが必要だ。
・ 教材や単元のねらいに応じて、習熟の
 程度に応じた指導やティームティーチン
 グを組み合わせるなど、工夫していきた
 いと考えています。また、どのような指
 導方法のもとでも、それぞれの教員の特
 性を生かすことを通じて、協働して指導
 していくことにより、資質の向上を図っ
 てきたいと考えています。 
・ 教える先生の授業力も大きな要素
 だ。2人の先生による授業や少人数
 だからこそできる授業をしていただ
 きたい。


【地域社会で子どもを育てる環境づくり(学校週5日制)】
項 目 意 見 の 要 旨 府 の 考 え 方
1 体験活動や
 ボランティア
 活動等に関す
 る情報提供の
 充実について
・ 体験活動やボランティア活動等に
 関する情報提供は、短期あるいは一
 年を見越したものにしていけば見通
 しが持てて児童生徒が参加しやすく
 なるのではないか。
・ 府内各地で実施されているさまざまな
 体験活動やボランティア活動の情報が、
 広く府民の皆様に行き届くよう、情報提
 供の工夫改善に努めたいと考えていま
 す。
・ 障害のある児童生徒への体験活動
 の参加の呼びかけは、市町村立学校
 に在籍する児童生徒と同様に、盲・
 聾・養護学校の児童生徒にも情報を
 提供する配慮をお願いしたい。
・ 盲・聾・養護学校の児童生徒に対して
 も、情報提供の一層の工夫改善に努める
 とともに、活動の充実に向けて、市町村
 教育委員会、関係機関・団体等と十分連
 携を図っていきたいと考えています。
2 ボランティ
 アやコーディ
 ネーターの養
 成と研修機会
 の充実につい
 て
・ 先生自らがボランティアとして放
 課後、地域に根ざした活動に参加す
 ることも大切である。
・ 教職員が地域において、子どもたちや
 地域住民とともに体験活動に参加するこ
 とは、地域に開かれた学校づくりの推進
 の上からも大切なことであり、参加促進
 に向けて、その啓発に取り組んでいきた
 いと考えています。
・ 地域でのさまざまな活動に教職員
 や地域の方々が積極的に参加できる
 ようにすることが大切である。
・ ボランティアコーディネーターの
 養成やモデル事業の推進は、重点と
 して推し進めていただけるとありが
 たい。
・ 体験活動の充実に向けたボランティア
 やコーディネーターの研修機会の充実に
 努めるとともに、特色のある取組を紹介
 することにより、地域における取組を支
 援したいと考えています。
・ 市町村教育委員会と連携し、高校生や
 さまざまな特技・技能を持った地域の人
 々にも体験活動への支援を依頼するなど
 地域社会全体で子どもを育てる気運づく
 りに努めたいと考えています。
・ ボランティアについては、従来の
 ネットワークだけに頼るのではなく
 長期間にわたって適材適所で活躍で
 きる人材を新たに発掘することが大
 切ではないか。
・ 地域は、子どもの自主性を育むた
 めにどう支援すべきか、試行錯誤し
 ているのが現状です。それ以前の問
 題として、地域の指導者育成が課題
 となっていると思われる。
・ 子どもが読書に親しむ計画を推進
 する上で、読み聞かせなどをするボ
 ランティアを養成する講座を開催し
 ていただきたい。
・ 地域でのボランティア活動に参加
 していますが、若い人の参加が少な
 いので、プランの「情報提供の充実
 」には大賛成です。コーディネータ
 ーの養成もぜひお願いします。
3 地域社会の
 教育資源を活
 用した事業の
 実施について
・ 小さな市町村は財政的に厳しくお
 金のかからないモデル事業を実施し
 て、どこでも誰でも取り組めるよう
 な活動の波及をお願いします。
・ 市町村教育委員会や関係団体と連携を
 図りながら、地域の状況に応じて選択で
 きる事業を推進していきたいと考えてい
 ます。
・ 公民館が中心となり「ふるさと探
 訪団」として、地域で子どもを育て
 る活動が行われている。よく考えら
 れた取組がされているのでありがた
 い。スポーツ少年団等も盛んである
 が、一方では家から外に出ない子も
 増えてきている。戸外での活動が楽
 しいことを気づかせていきたい。
・ スポーツやさまざまな体験活動は子ど
 もたちが意欲を持って取り組むことが大
 切です。
  そのため主体的に活動できるよう子ど
 もたちの意見や希望を反映させたり、地
 域の特性や京都らしい取組を取り入れる
 など、活動プログラムの工夫・改善を図
 るとともに、地域の人材や学校施設など
 を生かし、子どもたちに「生きる力」を
 はぐくむ体験活動の一層の充実に向け、
 市町村教育委員会や関係機関・団体等と
 十分連携を図りたいと考えています。
・ 総合型地域スポーツクラブにおい
 ても、「地域の教育資源を活用した
 モデル事業」を拡充して、子どもた
 ちの体験活動の充実を図っていただ
 ければと考えます。



京都府教育委員会

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