9月26日(水)に、第3回みらい学の取り組みとして火山学の特別講義「火山はすごい」が行われました。今回の講義は、京都大学総合人間学部教授の鎌田浩毅先生です。
鎌田先生は、ご自身の阿蘇山におけるフィールドワークの経験に基づいて、カルデラ、軽石、噴火の様式など火山の話のほか、勉強の方法、京都大学の学風、ご自身のファッションなど様々な話題で生徒の興味をひきつける講演でした。
講演を1時間行った後は、生徒から集めた様々な質問に答えてくれました。質問は火山から先生のファッションまで多岐にわたっていました。
講義内容 | 火山や学習方法など、 実に様々な話をしていただきました |
阿蘇山の麓は火砕流台地が作る雄大な自然がある。鎌田先生は「なぜこれがここにあるのか」を科学の論理に基づく説明を通して、地球科学の学問への興味・関心を持ってもらえるような火山地質学の講義が行われた。 約9万年前に形成された阿蘇のカルデラの成因にもなっている噴火は、マグマ中の水蒸気の発泡がマグマを押し上げて地上に噴出する。火砕流は高温なので、堆積物中の軽石がくっつきあい溶結凝灰岩という岩石が出来、その中の軽石は堆積物の重みでへしゃげてレンズ状になっている。その時の火砕流は島原・山口まで流れたことがあった。 また鎌田先生がTV番組「世界一受けたい授業」でも取り上げた富士山はちょうど300年前に噴火した(宝永噴火)火山であり、今年は300周年になる。新井白石が記録した当時の噴火の状況は、江戸に火山灰が降りかかったが、その火山灰は白色から黒色に変色したとある。これは地下のマグマが安山岩質から玄武岩質に変化したことを示す重要な観察記録である。富士山の噴火に300年もの空白があることは珍しく、もし今富士山が噴火したら火山灰によるIT機器の被害などで、東海・関東地方だけでなく日本全国に甚大な被害が出るだろうと予測されている。 火山学についてだけでなく、学習することについての話もありました。 時間の使い方に気をつけ、授業を大切にして、健康に気をつけ、生活を正すことが大切である。受験で言えばすき間時間を大切にして取組んで欲しい。 |
講演を終えて、生徒たちからは
「先生の講義の仕方がとてもわかりやすく、話の内容がすんなり頭の中に入ってきてわかりやすかった」
「火山の驚異と被害がどれだけすごいかがわかった」
「火山学だけでなく、勉強の仕方や大学のこととか、先生個人のこととかいろいろ聞けておもしろかった」
などの感想があがりました。
今回の講義を生かして、11月2日(金)に火山についての研究発表を行ないます。また10月27日(土)には、フィールドワークとして福知山市夜久野町にある田倉山(休火山)まで調査・見学に行きます。