研究1では、特別支援教育推進体制モデル事業の指定地域巡回相談員をセンター研究協力員に依頼し、実際に巡回相談で出会う事例を中
心に、「児童生徒の具体的な支援がどのように提供されたか」、また「具体的な支援の流れに即して、必要な支援体制(システム)をどのように整
備し、活用していくか」 の2点をテーマとして、検討を重ねてきた。
<成果>
・月1回の研究協力員会議において、推進地域の巡回相談員が相互に情報交換することによって、指定地域全体の進行状況を把握することが
でき た。
・会議で得られた情報を、所属校長を通じて市町村教育委員会担当主事に報告したので、地域に応じて活動する参考となった。
・専門家チームや府の巡回相談を活用する時に必要な情報収集や事前、事後の動き方を伝え合うことで具体的な仕事がイメージできた。
<課題>
・特別支援教育の推進に向けて、今後は各自治体においても、校内委員会の整備、校内コーディネーターの指名、コーディネーターの養成、巡回
相談の活用、就学相談の充 実などを考えていく必要がある。
・各校の特別支援教育コーディネーターの連携や学習の場の充実が必要である。
・広域エリアで巡回相談を行う場合には、動きやすいエリア、人数等を工夫して支援体制作りを考える必要がある。
<確認できたこ
と>
・子ども達は日々成長する。早期対応のために「気づき」をいち早く検討し、具体的な指導目標につなげる取組が求められている。巡回相談の活
用はそのひとつの動きである。
・各校の特別支援教育コーディネーターと十分に連絡・調整を図ることで、地域の状況に合わせた支援を行っていく。
・日常的な教育相談や巡回相談を積み重ねていくことが、児童生徒を取り巻く状況の理解につながり、具体的で適切な支援につながる。
・市町村教育委員会や関係諸機関と学校、保護者の連携が大切である。
・システムの整備とともに、学校と担当者が連携して日々の地道な相談や子どもへの支援を継続していくことが大切である。
・人と人とのつながりが、整備されたシステムを温かな血の通ったものにしていく。